みなさんの映画評論7
ミニシアターフレンズ

サディスティック・ミカ・バンド

◆サディスティック・ミカ・バンド(日本)
監督:滝本憲吾
内容:2度目の再結成を機に2007年3月8日にNHKホールで行った、一夜限りの、そして最後(かも知れない)のスペシャルライブの模様を軸に、その軌跡と現在を追った音楽ドキュメンタリー。
10月公開(シネカノン有楽町2丁目)

3月のライブを撮影し、一人一人のインタビューを撮り、再構成した作品。ただ、それだけのものなので、これを映画と呼ぶかどうかは微妙だ。記録映像と言ってもいいくらいである。

もっとも、音楽好きにとっては貴重なものである。ライブ前の合宿の模様も垣間見れる(ここでスタジオ以外の素の彼らもほしかった気はするのだが)ので、興味ある人は充分に楽しめることだろう。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年09月03日14時26分)


チャプター27

◆チャプター27(カナダ)
監督:J・P・シェファー
出演:ジャレッド・レト/リンジー・ローハン
内容:1980年ニューヨークのダコタ・ハウスの前でジョン・レノンは射殺された。犯人のマーク・デイヴィッド・チャップマンは熱狂的ファンだったと言われている。彼は同じ日、本屋で「ライ麦畑でつかまえて」を購入している。彼は何者だったのだろうか?
12月公開(シネクイント)

犯人のマーク・チャップマンの独白で綴られていく作品。このような描き方では犯人に感情移入してしまいそうであるが、こういうのってオノ・ヨーコや遺族たちには大丈夫だったんだろうか?

とは言え、作品としてはわりといい感じに仕上がっている。演出も俳優もまずまずだ。ただ、やっぱり謎の部分は多い。それを理解できるかどうかは見る人それぞれだろう。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年09月03日14時27分)


君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956

◆君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956(ハンガリー)
監督:クリスティナ・ゴダ
出演:イヴァン・フェニェー/カタ・ドボー
内容:ハンガリー動乱から50年。人々の自由への希求は、ソ連軍の圧倒的な兵力の前に踏みにじられた。ドナウ川に彼らの血が流されたその年、ハンガリー水球チームは皮肉にもメルボルン・オリンピックでソ連チームとの歴史的な闘いへ…
晩秋公開(シネカノン有楽町2丁目)

ハンガリー動乱というだけで、僕らのような戦争を知らない、自分たちで革命を起こしてない人種はそれに感嘆するしかない。こんな映画を見るたびに映画だけの世界じゃないことに恐怖してしまう。

作品自体はそんなに手放しでほめることができない。ご都合で作ってしまってるシーンもあるのである。現実の資料が少ないんだろうけど、もう少し頭を使ってほしい部分はある。しなしながら、そんなことも関係なく現実は厳しく、これが人間世界なのだとつきつけられているようである。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年09月03日14時29分)


バウムクーヘン

◆バウムクーヘン(日本)
監督:柿本ケンサク
出演:マメ山田/山本浩司/本多章一
内容:幸福の象徴バウムクーヘンをめぐってファンタジックな4つの世界がグルグルまわる現代のおとぎ話。川野辺家のおかしな3兄弟のしあわせさがし。
9/29公開(Q-AXシネマ)

やりたいことはわからなくもない。誰もが自分がどう生きればいいのかを模索していて、その方向性を見つけるというもの。ただなあ、しあわせって、これだけ?って感じも最早しないでもない。というのはすでにいろんな作品でそういうことをテーマにしているから…。

描き方もこうなってくると、監督自身が自分の世界だけに嵌ってしまって、観客のことをどう考えているか考え込んでしまう。それはないだろうって展開や画がよく出てくる。構成ももっと熟考してほしかったところだ。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年09月03日14時31分)


ゾンビーノ

◆ゾンビーノ(カナダ)
監督:アンドリュー・カリー
出演:キャリー=アン・モス/ビリー・コノリー
内容:長い間続いた人間とゾンビによるゾンビ・ウォーに勝利した人々は、今や、家事や単純労働を手伝ってくれる従順なペットとして、ゾンビを飼うことを一種のステイタスとしていた。少年ティミーもママにゾンビを買ってもらったのだが…
10/27公開(TOHOシネマズ六本木ヒルズ)

ゾンビをペットとしている世界という構築が面白い。現代ではいろいろと矛盾が出てくると感じたのだろうか、50年代風のアメリカ社会に限定しているところが面白い。

ただ、このパロディ要素をベタベタに語っていくような方式ではなく、ちゃんとキッチリしたストーリーになぞらえて描いていくのが面白いと感じた。なので、ガハハという笑いではなく、クスクスという笑いがふさわしいかな?でも、かなりの力作。ただのお笑い映画ではないですぞ。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年09月24日17時44分)


ディテクティヴ

◆ディテクティヴ(アメリカ)
監督:サイモン・フェローズ
出演:ジャン・クロード=ヴァン・ダム/スティーヴン・レイ
内容:ニューオリンズの深夜、一匹狼の麻薬捜査官ストウは元パートナーで現在は大物ドラッグディーラーのキャラハンを追っていた。狡猾なキャラハンは裏をかいて逃走を計り、銃撃戦になるのだが…
9/29公開(銀座シネパトス)

ジャン・クロード=ヴァン・ダムという俳優は以前はアクションばかりかなと思っていたのだが、最近はこのような性格俳優も演じているようである。年のせいかもあるかとは思うけど、その年とともに出てくる渋さに応じたものであれば、そのチャレンジ精神は買ってもいいと思う。

しかし、全体的なストーリーが今一つ。こんな話よくありそうであり、それ以上ではないというのは製作側にもう一つか二つ踏み込んだものが足りないという証であろう。上手く描けば、なかなかのものになったろうに…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年09月24日17時45分)


この道は母へとつづく

◆この道は母へとつづく(ロシア)
監督:アンドレイ・クラフチュク
出演:コーリャ・スピリドノフ/マリア・クズネツォヴァ
内容:極寒のロシア。貧しい孤児院で暮らす、親に捨てられた子供たち。6歳の少年ワーニャは幸運にもイタリア人の夫妻の養子に選ばれる。その幸せを素直に喜んでいたある日、かつて孤児院にいた友達の母親が突然現れたことでワーニャの心は大きく揺らぐ…
10/27公開(Bunkamura ル・シネマ)

いい作品である。フィクションではあっても、現実の問題(孤児院から脱走した子供の新聞記事が元ネタだそうだ)をリアルに描き出してるんじゃないだろうか?見てるだけで涙が出そうになった。

この映画の孤児院では成長した青年たちがなかば独裁的ではあるが、孤児たちで一つの家族や社会のような世界を形作っているのである。たくましいなあ。少し、ご都合の部分もなきにしもあらずだけど、それを割り引いても何か心に響いてくる映画だろう。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年09月24日17時46分)


0093 女王陛下の草刈正雄

◆0093 女王陛下の草刈正雄(日本)
監督:篠崎誠
出演:草刈正雄/黒川芽以/彩輝なお
内容:敵はIT社会を蹂躙する現代のメディア王。洗脳によって世界を支配しようとする魔の手は、草刈正雄とその愛する家族にもアフぃぃーっと忍び寄っていた。もう後戻りは出来ない。平和なTV局と愛する娘を守るため、そして猿とバナナと宇宙人のために、行けマサオ!
10/13公開(シネマート六本木)

笑わせようとして、どんなシーンにも必ず何かのギャグを用意してるのだが、なかなか笑えない。タイミングがちょっと悪いのである。天丼も多いので、最初は笑えなくても諦めずにたたみかけるとクスッとはできるものあるんだけど…。演出に問題ありだなあ。

その中でも笑えるものが少しはあるだろうから、これは使える!なんて見てるものの胸の内で納得できるかどうか…。草刈正雄自体はこういうのに合ってるような気がするんだけど、見てるうちに田村正和と対決しないかなあ、なんて思ってしまった

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年09月24日17時48分)


ペレを買った男

◆ペレを買った男(アメリカ)
監督:ジョン・ダウアー
出演:マット・ディロン(ナレーション)/スティーブ・ロス
内容:神様も皇帝もオレのもの。元祖メディア王スティーブ・ロスが仕掛けた一世一代の大勝負、それは世界サッカー史上最大のチャレンジ、ニューヨーク・コスモスだった…
12/8公開(シネセゾン渋谷)

ニューヨーク・コスモスというプロ・サッカー・チームは子供の頃に聞いたことがあった。ペレとかベッケンバウアーとか、有名な選手をどんどん獲得してきていた。ただ、多くは第一線を退いた選手ばかりだったけど…。

この映画はアメリカにサッカーを根ずかせようとした(ただ単に儲けようとしただけかも?)スティーブ・ロスとニューヨーク・コスモスのドキュメンタリー。でも、その期間はすごく短い、上るつめるのも早かったんだけど、落ちるのも早かった。いかにもなアメリカン・ドリーム。ニューヨーク・コスモスのことを知りたければ見て損はない。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年09月24日18時33分)


フライボーイズ

◆フライボーイズ(アメリカ)
監督:トニー・ビル
出演:ジェームズ・フランコ/ジャン・レノ
内容:第一次大戦時、まだアメリカが中立の立場を崩さない中、勇気あるアメリカ人がはるばる海を渡って志願兵として連合軍に加勢し、戦闘機のパイロットとして活躍。当時結成されたアメリカ初の戦闘飛行中隊の実話に基づくストーリー。
11/17公開(シアターN渋谷)

いわゆる外人部隊のような戦争でのお話。実際、3〜6週間くらいの話なのである。なぜ、そういうことになっていったかの部分が若干、弱い気はするのだが、まだまだ、男気を見せることのできる戦争という匂いは残る時代なので、そういうことが理由なのかもしれない。

戦争の大変さ(悲惨さというほどのものではない)、恋に陥る男女、同期のサクラ的な友情。かなり正統派な戦争映画である。肩のこらない映画を求める方にはピッタリの作品だろう。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年09月24日18時35分)


エンジェル

◆エンジェル(ベルギー・イギリス・フランス)
監督:フランソワ・オゾン
出演:ロモーラ・ガライ/サム・ニール
内容:自らの才能を信じ、若くしてベストセラー作家の名声と巨万の富を手にし、自らの手により愛も成就させた美貌の女流作家エンジェル・デヴェレル。まるで小説を描くように人生を夢見た世界に書き換えていく彼女の陥るパラドックスとは…
12月公開(シャンテ シネ/新宿武蔵野館)

舞台はイギリス。主人公のエンジェルはとても高慢ちきな女である。自信に満ちていると言えば、言えなくもないのだが…。自分の手に入れたいものは何でも手に入れる。けれど、それは心の欲求という、実に精神的なもの。寂しがりやなのである。

作家として成功するエンジェルだが、作品はロマンスなので、流行にはなるが、それが後世には残らない。なんだか、今の時代にも通じる話である。映画としては王道な描き方。肩肘はらずに見ることのできる映画である。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年10月01日01時44分)


ペルセポリス

◆ペルセポリス(フランス)
監督:マルジャン・サトラピ/ヴァンサン・パロノー
出演:(声)キアラ・マストロヤンニ/カトリーヌ・ドヌーヴ
内容:1970〜90年代の混迷するイランを舞台に、主人公マルジの激動の半生と3代に渡る母娘の愛情を繊細な少女の感性を通して描く…
正月公開(シネマライズ)

これはアニメではあるが、あなどれない作品である。イラン映画はいくつも日本に来るけれども、これだけリアルに描いてあるものは、これまで他にはなかった。(リアルに描けば命はないだろう)

イラン国内の実情とともに、僕が共感したのは主人公マルジの生き方である。何をしても面白くない彼女は人生の壁にぶち当たるのである。共感できる人間は世界中にいるだろう。そんな人たちには是非とも見てほしい作品である。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年10月01日01時45分)


PEACE BED アメリカVSジョン・レノン

◆PEACE BED アメリカVSジョン・レノン(アメリカ)
監督:デヴィッド・リーフ/ジョン・シャインフェルド
内容:ベトナム戦争に異を唱え、当時のアメリカ政府に立ち向かっていくジョン。その影響力の大きさに当時のジョンソン、ニクソン政権は危機感を覚え、国外退去命令、FBIによる盗聴など露骨な攻撃をしかけてくる。ドキュメンタリー。
12/8公開(TOHOシネマズ六本木ヒルズ)

ジョン・レノンがビートルズの後期から解散後、平和活動をしていく。それに対して、ニクソンらのアメリカ政府が圧力をかけてくる。その戦いの記録である。戦いと言っても、ベッド・インなど非暴力なのではあるが…。

ビートルズ・マニア、ジョン・レノン・マニアにとっては、案外、知られたことばかりだが、そうでもない人にとってはジョン・レノン入門篇という趣の作品である。当時の世相かもしれないけど、ミュージシャンとはいえ、彼の生き方の凄さ、ある意味における面白さを提供してくれている。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年10月08日20時59分)


ジプシー・キャラバン

◆ジプシー・キャラバン(アメリカ)
監督:ジャスミン・デラル
出演:タラフ・ドゥ・ハイドゥークス/エスマ
内容:それぞれの音楽のルーツにジプシー音楽を持つ、スペイン、ルーマニア、マケドニア、インドの4つの国の5つのバンドが6週間をかけて北米の諸都市を廻るジプシー・キャラバンが催された…
12月公開(シネ・アミューズ)

一昔前まではジプシーという言葉も使えなかったようだけど、最近はロマ族のみなさんも逆に誇りを持ってジプシーを使ってるような気がする。ジプシー音楽はヨーロッパ中を放浪してたせいか、世界中に広まっていったみたいである。

彼らの音楽は魂がビンビンに伝わってくる。人間の感性に入りやすいんだろうなあ。熱狂的に各地で受け入れられて、コンサートを行っている、この映画を見て、改めて、音楽の力を認識させられた。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年10月08日21時00分)


シアトリカル

◆シアトリカル(日本)
監督:大島新
出演:唐十郎/劇団唐組
内容:1967年、新宿・花園神社の紅テント公演で、演劇界に革命的な衝撃を与えた天才劇作家・唐十郎。それから40年、67歳になった今も芝居に対する情熱は衰えることを知らず、唐は自らを偏執狂と呼ぶ…
12月公開(シアター・イメージフォーラム)

劇団唐組。紅いテントを劇団員が自分たちで設営し、自らの演劇公演を行う。40年前から行われてきた興行形態である。そんな唐組の2007年の公演を準備から追っているドキュメンタリー。

なのであるが、ドキュメンタリー100%ではない。3割は別のもの。つまりはフィクションなのである。それは唐組という、今では他に類を見ない面白さを生活から備えている劇団でありながら、なぜ故に映像にする段階でこのような手法をとったのか理解できない。どっちつかずの中途半端さは真実も疑ってかかってしまう危険性を伴っている。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年10月16日15時14分)


呉清源 極みの棋譜

◆呉清源 極みの棋譜(中国)
監督:田壮壮
出演:チャン・チェン/柄本明
内容:囲碁界の至宝、呉清源。昭和3年、14歳での来日以降、国籍も人生も変え囲碁を打ち続ける彼が、その清流の如く澄んだ瞳で捉えた昭和という数奇な時代、やがて辿り着く“こころの極み”とは…
11/17公開(シネスイッチ銀座/新宿武蔵野館)

囲碁の天才とまで言われた中国人・呉清源。日本にきて、対局を行うが、時代は日中戦争へと向かう。となると、その戦争の狭間の苦悩かと思いきや、新興宗教に振り回される彼の姿が描かれる。まあそれも、戦争の代償によるものであることは間違いないのだが…。

囲碁の細かい勝負の行方は全くと言っていいほど、描かれない。監督は、そんなところよりも、人間・呉清源の生活ぶりに主眼を置きたかったのだろう。また、望遠レンズで構築される画作りは独特の雰囲気を醸し出す。この画が好きであれば酔いしれることも可能だ。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年10月16日15時18分)


ディスタービア

◆ディスタービア(アメリカ)
監督:D・J・カルーソ
出演:シャイア・ラブーフ/サラ・ローマー
内容:父の死が引き金となり、警察沙汰を起こして自宅軟禁処分を受けた主人公ケール(シャイア・ラブーフ)は、暇つぶしのために軽い気持ちで近所の「覗き見ゲーム」をはじめる。美少女の水着姿、大人たちの秘密、お向かいさんの家庭事情…。ケールの覗き見ゲームはエスカレートしていくが、あるとき血まみれのゴミ袋を引きずる人影を目撃する…
11/10公開(有楽町スバル座/シネ・リーブル池袋)

昔あったヒッチコックの「裏窓」のように部屋から出ることのできない主人公が窓の景色を見て、殺人事件を推理していくというもの。この作品では罪を犯して、家からある距離を出ると、足につけられた警報装置が鳴るというもの。こんな便利なもの(?)があるのなら、認知症の徘徊される方には便利だと思うのだが…。

サスペンスものという面白さはあるものの、別の一面を考えてしまう。それは子供であろうとも(高校生だけど)危機に面すると殺人もいとわないということ。そのことによってPTSDなど起きないのだろうか?アメリカ人は逞しいものである。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年10月21日21時50分)


テラビシアにかける橋

◆テラビシアにかける橋(アメリカ)
監督:ガボア・クスポ
出演:ジョシュ・ハッチャーソン/アナソフィア・ロブ
内容:絵の好きなジェシーと隣に引っ越してきた風変わりな少女レスリー。いじめられっ子の2人は親友になり、森にテラビシアという空想の王国を作り上げる。家や学校に問題山積みの彼らでもテラビシアでは新しい世界にめぐりあえるのだ。しかし、ある日突然悲劇が襲いかかる…
正月第2弾公開(渋谷東急系)

ファンタジーの面もあるいが、それは描き方の一手段に過ぎない。このお話で本当に描きたかったことは大人こそ、よくわかるものである。なので、ハンカチをお忘れなく!と言っておこう。自分は最後は号泣してしまったのだ。

もっとも、ファンタジーのシーンはそれほど上手くいってるかどうか?というのは、このファンタジーが実は創造のものでしかないからだ。原作本ではそれでもいいのだが、実写になるとなかなかに難しいもの。あと、キリスト教に対する、一種の反対意見もある。こういうのはキリスト教徒にとっては(特にプロテスタントなどは)どう感じるのだろうか?僕はこの映画の意見に賛成なのだが…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年10月21日21時50分)


ヒッチャー

◆ヒッチャー(アメリカ)
監督:デイヴ・メイヤーズ
出演:ショーン・ビーン/ソフィア・ブッシュ
内容:大学生のカップル、グレースとジムは、ドライブの途中、ジョン・ライダーと名乗る正体不明のヒッチハイカーを乗せてしまったことで、悪夢のような事件に巻き込まれる…
11/24公開(銀座シネパトス)

20年ほど前の作品のリメイクなんだけど、謎のヒッチハイカーと関わるところは一緒なんだけど、その後の展開がかなり違う。昔のほうが知的な感じはしたんだけど、今回のはかなりハード・アクションものになっている。

驚かせる、ショッカー映画として見ると面白いだろう。理論関係なしに、そろそろ驚かせてやれ!的なシーンのオン・パレードである。苦手な人は椅子の上でピョンピョン、跳ねてしまうこと間違いなしである。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年10月28日22時41分)


リアル鬼ごっこ

◆リアル鬼ごっこ(日本)
監督:柴田一成
出演:石田卓也/谷村美月/大東俊介
内容:西暦3000年、国王による恐怖政治が敷かれた日本。王の命令によって何故か“佐藤”姓を持つ人々だけが、捕まると殺されるリアル鬼ごっこの標的として追われる…
正月第2弾公開(テアトル新宿)

設定はSF好きにとっては面白いんだけど、あまり知らない人にとってはわかりづらいかもしれない。だからと言って、説明セリフをやたらに使うのはいかがだろうか?普通の会話でそういう言い方はしないし、見ていてもつまらない。見る者に考えさせる見せ方がいいのに…。

あと、SFっていうのはやろうと思えば、何だってできる世界なんだけど、最低限、最初に提示した設定は守ってやらないと、見ている方は面食らってしまう。せっかく面白い設定をしているのに料理する製作陣がちょっと力不足の感は否めない。もったいないけど…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年10月28日22時42分)


マイティ・ハート/愛と絆

◆マイティ・ハート/愛と絆(アメリカ)
監督:マイケル・ウィンターボトム
出演:アンジェリーナ・ジョリー/ダン・ファターマン 内容:2002年にパキスタンで取材中に誘拐された新聞記者ダニエル・パール事件の真相とは?
11/23公開(TOHOシネマズ六本木ヒルズ)

本当にあった話を描く。一人の人間が紛争地帯でどのように誘拐され、それがどのように展開していくか?人質になった関係者の側から描くので、臨場感は満点である。

誘拐された新聞記者。その妻役にはアンジェリーナ・ジョリーが扮する。ものすごいアクションがあるわけでもなく、かと言って、彼女を始め、俳優陣からは緊迫した雰囲気がほど良く伝わってくる。監督はマイケル・ウィンターボトム。なるほどと思わせる。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年11月04日18時50分)


THEM ゼム

◆THEM ゼム(フランス)
監督:ダヴィッド・モロー/グザヴィエ・パリュ
出演:オリビア・ボナミー/ミヒャエル・コーエン
内容:真夜中。孤立した森の中の一軒家。不気味な反復音とともに奴らの襲撃は突然はじまった。いったい何者が?何のために?やがて屋敷は迷路と化し、暗闇の地獄で悪夢のようなサバイバルは続く… 正月第2弾公開(シネセゾン渋谷)

ホラー映画はよく見かけるハリウッドや日本の映画だと、この辺で怖いカットがあるなあ、なんていうのが大体わかるのだが、それ以外の国の映画だと、そのパターンが読みづらく、ここで来るのかあ、とか、来るかも来るかも?なんて余計にドキドキしたりして、心臓がバクバクしてしまう気がする。

しかも、この映画くらい、相手が読めないものも珍しい。そういう読めないような描き方をしているのだが、それがまた不安定な気持ちにさせて、ドキドキ感を助長しているのだ。怖い、いや上手いなあ…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年11月04日18時50分)


明日への遺言

◆明日への遺言(日本)
監督:小泉堯史
出演:藤田まこと/ロバート・レッサー
内容:今なお戦争の止まない世界の現実の中、これからの時代をどう生きていけばよいのか?第二次世界大戦終了後、「法戦」をたった一人戦い抜いた岡田資(たすく)中将の誇り高き生涯…
3/1公開(渋谷東急ほか松竹・東急系)

名古屋の空襲の際、空爆機からパラシュートで脱出してきたパイロットたちを斬首した罪で、B・C級戦犯として裁かれる岡田中将にスポットを当てる。彼の人柄、周りの信頼感など、心温まる内容だ。

けれども、心温まるシーンしかないので、食傷気味になってしまう。また、裁判の風景がほとんどなのであるが、そこで問答する岡田中将役の藤田まことに関しては素晴らしいと思うのだが、結局は詭弁のような気もしてしまう。こちらは消化不良になっていそうなのだが…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年11月11日23時30分)


シルク

◆シルク(日本・カナダ・イタリア)
監督:フランソワ・ジラール
出演:マイケル・ピット/キーラ・ナイトレイ
内容:19世紀フランス。戦地から戻ったばかりの若き軍人エルヴェは美しいエレーヌと出会い恋に落ち、やがて2人は結婚する。そんな矢先、村で蚕の疫病が発生し、エルヴェは蚕の卵を手に入れるため海を渡り極東の国、日本へ…
1/19公開(日劇3ほか東宝洋画系)

タイトルからの触発だろうか、全体的にキレイな叙情的な映像が続く。話としては簡単なラブ・ストーリーだが、その映像ゆえに誘い込まれて見てしまう。日本人の神秘性もまた、よく描かれてる気はするけど、欧米人に日本人の印象が度が過ぎてとらわれるのは嫌だなあ。

しかし、フランスが舞台なのに、英語をしゃべっているのには閉口してしまう。もう、そんな時代ではないだろう。その国が舞台でその国の人の設定ならば、その国の言葉をしゃべってもらいたい。雰囲気がぜんぜん違うんだから。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年11月11日23時30分)


ワタシの王子

監督:小口容子(2005年ビデオ作品、15分)

 この作品を東京・国立にある居酒屋シアター「キノキュッへ」で初めて見ていたく感動し、人見知りをする私が上映後あえて小口監督に声をかけたといういわくつき(笑)の作品だ。
 渋谷UPLINKの「変態まつり」と称する映画フェスティバルで見たのが二度目。どうしてももう一度見たいと思っていた。

 というのは、初めて見て感動したにもかかわらず、月日が経つとともにその具体的な内容がどうしても思い出せないという、作品に対する奇妙な距離感を感じていたからだ。
 面白かったのなら、それはかくかくしかじかの理由で、と説明できるのが普通。できないということは、若干アルツ君の気があることを差し引いても、そこにはなにか意味があるはずだ。
 結論を先に言えば、恐らく小口監督と観客の私とでは生理的文脈が異なっているからではないか。マゾヒストを自称する小口監督の生理的文脈が、私には追いきれていないのではないかという気がする。そこがまた、私が小口作品に惹かれている理由でもあるのだが。

 前置きが長くなった。
 自由を奪って石ころのように床に転がし、自意識を奪ってほしいと願うM的心性を持つ主人公(監督自身)が、ご主人様(これを小口監督は「王子」と呼ぶ)になりうる理想のサディストを求めて伝言ダイヤルにはまる。
 青森の監禁事件をいわばcontrol(比較対照)として描かれるこの性的彷徨に、果たして終わりはあるのだろうか。
 繊細きわまりない、下手をすれば容易に壊れかねない自我の周辺をさまよいながら、この作品は時にユーモラスに、心地よいリズム感を持ってヘンタイ的世界を描き出している。音楽も効果的だ。
 

(育郎 2007年11月18日10時57分)


迷子の警察音楽隊

◆迷子の警察音楽隊(イスラエル・フランス)
監督:エラン・コリリン
出演:サッソン・ガーベイ/ロニ・エルカベッツ
内容:演奏旅行のためにイスラエルにやってきたエジプト警察の音楽隊。空港に出迎えはなく、迷子になった彼らがたどりついたのは砂漠の真ん中の小さい町だった。長い間対立してきたイスラエルの地元民たちと一晩を一緒に過ごす羽目になったのだが…
12/22公開(シネカノン有楽町2丁目)

イスラエルでアラブ人が迷子になる。それだけ聞くと、何か恐ろしいことが起こるのでは?とも思うのだが、イスラエルにだってアラブ人は住んでいるのである。そんなことより、エジプト警察の音楽隊は自分たちがクラシカルな音楽をやってるので、存続の危機にあるということのほうが心配なのである。

音楽隊が主人公の映画なのにBGMは極端に少ない。ただ、そのことが観ているものにとっては想像を膨らませることができて、いろんな場面に注目するし、その“考える”という気持ちの良さを味合うことができる。たまにはこんな映画も観てみてほしい。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年11月18日18時34分)


ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ

◆ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ(日本)
監督:北村拓司
出演:市原隼人/関めぐみ/浅利陽介
内容:オレはナイフを持ってチェーンソー男と戦う彼女と出会った。目的の無い日々を送る高校生陽介の前に現れたのは、チェーンソーを振り回す不死身の男と制服の美少女・絵理との激しいバトル!一体コイツらは何なんだ?
1/19公開(Q-AXシネマ/シネ・リーブル池袋/新宿ジョイシネマ)

チェーンソー男が登場するがホラー映画ではない。対決する彼女がカッコいいという、マンガにあるような展開である。しかし、彼らの目的はよくわからないし、それ以外の人々は全く関係してこない。唯一、主人公の男の子がその彼女をサポートするものなのである。

原作者の滝本竜彦はひきこもりだったそうだ。勝手に想像するのは良くないかもしれないが、作者が体験してみたい世界が構築されていて、その存在理由なんてどうでもいいのかもしれない。もちろん作品として理由はつけられているが、あくまで感覚的なもの。その感覚を感知できれば、この作品は楽しいものになるだろう。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年11月18日18時34分)


グッド・シェパード

ロバート・デ・二ーロ監督作品です。
「存在の耐えられない軽さ」以来久しぶりの
アメリカ映画らしくないアメリカ映画でした。

ふたつの「ファミリー」を生きるプロットは、
彼を世に出した「ゴッドファーザー」のスパイ・バージョンとも受け取れます。
派手さを抑えたうえで3時間近くを見せきってしまいました。
実在した二重スパイがモデルと思われる役柄、小道具や伏線は、
スパイ小説(やっぱり、舞台は冷戦下でなきゃ)好きにはこたえられないです。

あれ、この人、こんなにスゴイ人だったかと再認識しました。
でもこういうのは女性受けしないのでしょうね、
ガラガラでした。あー、もったいない、これを見ないなんて。

マット・デイモンくん、この人不思議な俳優ですね。
「リプリー」では、はっきり言ってイモでした。
でも、普通の人を演じられる普通の人って少ないと思います。
「2001年」のボウマン船長が出ていて、ちょっと得した気分。

(アマデウス・ボウマン 2007年11月22日00時06分)


アメノナカノ青空(原題:...ing)

 えらく古い映画を持ち出して恐縮です。

 2005年に日本でも公開された韓国映画です。ご覧になった方も多いことでしょう。典型的なボーイミーツガールに、不治の病、死別‥‥と悲恋ものの定番材料を並べ、そして二度と会えない彼女の想い出が込められた絵という、泣かせるための典型的なテクニックを駆使した作品。‥‥と皮肉っぽく言っていますが、よくできた恋愛ものだし、素直に物語に浸れ、素直に泣ける映画です。

 ただ、わざわざここで採り上げようと思ったのは、最近改めてビデオを見て、素朴な疑問が生じたからです。

 主人公の女子高生ミナと、カメラマンの卵ヨンジェが恋に陥るわけですが、そのきっかけは何だったのか。ミナがヨンジェに惹かれるようになるのは、ヨンジェの強引なアプローチと、彼のユーモア感覚、それにカメラマンという職業的な魅力に大きな要因があります。

 逆にヨンジェはなぜミナに惹かれたか? ミナは口数も少なく自己表現もしない、その性格もよく掴めない普通の女子高生です。魅力があるとすればただひとつ、男の眼から見て「可愛い」というだけでしょう。

 イ・オニ監督が描き出した2人は、かたや積極的個性的な男性像。かたや可愛いだけの女性像です。‥‥この2人の関係は、果たして「新しい」のでしょうか。

 実はこういった男女像の描き方は、ひどく古めかしい男性視点からのそれと何ら変わっていません。新しい革袋に、相変わらず古い酒が入っているとしか私には見えません。

 あとから知って驚いたのは‥‥、このイ・オニ監督は女性なんですね。この映画が初監督の、当時27歳の若手。

 女性もまた、「可愛い」に価値を置いた受け身の愛にしか関心はないのでしょうか。

(育郎 2007年11月22日23時38分)


おそいひと

◆おそいひと(日本)
監督:柴田剛
出演:住田雅清/とりいまり/堀田直蔵
内容:電動車椅子で移動し、ボイスマシーンで会話を交わす。重度障害者である住田は介護者のサポートを受けながら平穏な日々を過ごしていた。そんなある日、住田のもとに介護を経験したいという敦子が現れた。この日を境に住田は次第に狂気に身を委ねていく… 12月公開(ポレポレ東中野)

障害者の日常も表しながら、その障害者自身の精神状態の流れていくさまを追うという、たぶん初の試みの作品だろう。障害者をそのように描くのに賛否両論らしいが、個人的にはこういうのがあってもいいと思う。あり過ぎると困るとも思うが。

その表現の仕方だが、ちょっと自己中毒になってると見えない向きもないが、中にはオオッと唸ってしまうシーンもある。新鮮なものがあるのである。全体に障害者の1人称で描かれるので、気分では主人公に感情移入してしまうが、あなたはどう思われますか?

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年11月26日15時12分)


ペルソナ

◆ペルソナ(日本)
監督:樫原辰郎
出演:山崎真実/萩原聖人/鈴木砂羽
内容:謎の人体実験に巻き込まれ、ひとりの女子大生・日和の人生は一変した…。研究所から脱走する彼女。別の人格によって心と体が蝕まれていく彼女の危機を、若き医者・幸一郎が救う。いつしか互いに惹かれあう2人。だが追っ手からの攻撃は激しさを増していく… 1/26公開(シネマート六本木)

SFとは言っても大きな仕掛けではないと最初は思った。しかし、このように小規模のSFは渋くて面白いとも。しかし、だんだんとアクション・シーンたっぷりの展開になっていく。

どうも、その描き方がマトリックスっぽいのである。いや、今の映画シーンでアクションになると、マトリックスの影響を受けてないほうが珍しいくらいなのであるが…。それを面白いと受け取れるかどうかは見た人次第と言えるだろう。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年11月26日15時13分)


ビー・ムービー

◆ビー・ムービー(アメリカ)
監督:サイモン・J・スミス/スティーブ・ヒックナー
出演:(声)ジェリー・サインフィールド/レネー・ゼルウィガー
内容:誰にでも自分にしかできない大切な役割がある、というポジティブまメッセージを、ミツバチと人間の素敵な関係…
1/26公開(丸の内プラゼール他)

アニメと言えど、アメリカの作品であれば、しっかりした作りで大人の鑑賞にも耐えうる。日本の作品でもそうだけれど、笑わせるという点ではアメリカには及ばない。キャストにもコメディアンを使って、アドリブを利かせている気がする。

ハチの社会がまるで人間の管理社会のようになっていて(何せ蜂蜜を作るのが唯一の職業なのだから)、そんな中で主人公のミツバチが外の世界、特に人間たちに興味を持つというもの。それ自体は面白い設定なのだが、ストーリーの基本ライン、最初に定義したものからは少し離れてしまった展開が惜しい。ちょっと欲張りすぎた作品かもしれない。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年12月02日22時21分)


アドリブ・ナイト

◆アドリブ・ナイト(韓国)
監督:イ・ユンギ
出演:ハン・ヒョジュ/キム・ヨンミン
内容:突然2人連れの青年から声をかけられ、行方不明の女性に間違えられた女性。彼女のその女性の身代わりとして、その父親の臨終に立ち会う羽目に…
2月公開(アミューズCQN)

日本の短編小説が原作。小説だと、そのメディアの特徴ゆえに、このような展開もすんなり入っていけるんだけど、実写であると、もっとその世界に入り込ませるような要素をいくつか追加してほしい。

長コマ・手持ちの独特の味のある撮影方法は大変心地よい。ヒロインのハン・ヒョジュも素朴なかわいさが後味を良いものにしている。静かなストーリーなので、あまり期待を持たずに喫茶店に行くような心持ちで見てくれると一番、しっくりくる作品だろう。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年12月02日22時22分)


それでもボクはやってない

 周防正行監督の11年ぶりの映画。すでに時期遅れかもしれないけど、このサイトには載っていないようなので書いてみる。

 えん罪事件に関わっている友人が、以前こんなことを言っていた。「最近、裁判所でよく周防監督を見かけるんだよね」と。
 前作の『Shall we ダンス?』以来。取材に3年を費やしたというのもうなずける。
 この映画で、驚いたことが2点ある。
 ひとつは、けれん味の全くない、かつエンターテインメント性も極めて少ない直球勝負の映画であること。
 もうひとつは、そんな作品を大手映画会社が作り、配給したこと。『Shall we ダンス?』がなかったら、いくら周防監督でもこのような作品は作れなかっただろう。
 映画は大半が裁判のシーンだ。それ自体は退屈な映像であるはずなのにぐいぐいと観客を引っ張って行くのは、監督自身が言うように「裁判自体の面白さ」だといえる。
 痴漢えん罪事件を扱ってはいるが、テーマはまさに「これが、裁判」。日本の裁判が持つ問題点を、徹底的なリアリズムで描き出している。ひとつの動物園へ行けば世界中の動物が見られるように、この映画を1本見れば裁判が−−理想や建前の裁判ではなく、どうしようもない事実としての裁判が−−わかるという仕掛けだ。
 周防監督の言葉。「やっぱり映画は僕にとっては手段なのかもしれない。今回は、まさにそれを実感するような映画だったんですけど、まさしく"裁判"が問題だったんですよ」。
 まだ観てない人、ぜひ観てください。

(育郎 2007年12月08日11時30分)


結婚しようよ

◆結婚しようよ(日本)
監督:佐々部清
出演:三宅裕司/真野響子/藤澤恵麻
内容:学生だった70年代、フォーク歌手を目指していたが挫折し、今では妻と2人の娘を持つごく普通のサラリーマン。毎日家族揃って夕飯をとるのを生きがいとしていた。やがて娘たちの自立、妻の思いがけない自立宣言でルールは崩れていく…
2/2公開(全国)

「僕の髪が〜、肩まで伸びて〜♪」という吉田拓郎おなじみのヒットソングがタイトルの由来。その頃のフォーク世代には懐かしさも手伝って心地よく鑑賞することができると思う。

ただ、展開があまりにもベタなので、それをどう捉えるかが課題。(鑑賞者がそんなことを考えないといけないのもつらいなあ)個人的には中ノ森BANDの面々が出演しているのが興味を引く。ミュージシャンにしては悪くない演技である。(リーダーだけだが)今後、こういう仕事も増えるかも…と余計な詮索もしてしまう。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年12月10日12時01分)


凍える鏡

◆凍える鏡(日本)
監督:大嶋拓
出演:田中圭/冨樫真/渡辺美佐子
内容:都会の片隅で自分の描いた絵を売る青年と、信州の山荘にひとり暮す童話作家。ある日2人は街の雑踏で出会い、いつしか不思議な絆で結ばれていく。しかし男は幼児期のDV体験で精神は不安定で、すぐに怒りを爆発させ周囲と問題を起すのだった…
2008年早春公開(シネマ・アンジェリカ)

観てて感じたのは、映像っぽくない雰囲気を醸し出すなあということだった。特にこの人が主人公という描き方をしてないせいもあって、演劇っぽく思ってしまうのである。カット割りもそんなことを感じさせる一因だろう。

ただ、その分、出演者たちが確かな演技を見せてくれる。主となる3人の演技(上記の出演者たち)は、それぞれ味があって映画ファンとしては楽しい気分にさせてくれる。もっとも、お話自体は各キャラクターのディープな内面を描くので、笑って鑑賞するものではないが…。それもまた味のあるものになっている。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年12月10日12時04分)


潜水服は蝶の夢を見る

◆潜水服は蝶の夢を見る(フランス・アメリカ)
監督:ジュリアン・シュナーベル
出演:マチュー・アマルリック/エマニュエル・セニエ
内容:ジャン=ドミニク・ボビーは目覚める。そこは病室。自分が脳梗塞で倒れ、運び込まれたことを徐々に思い出す。だが、おかしい。意識ははっきりしているのに、自分の言葉が通じない。しかも、身体全体が動かない。唯一、動くのは左眼のまぶただけ…
1月公開(シネマライズ)

意外なことにこの原作本というのが日本ではこれまで発売されてなかったようで、この映画の公開に合わせて発売されるそうだ。欧米では発売当時、ベストセラーになっているにも関わらずである。

それというのも、この主人公はファッション雑誌ELLEの編集長だった人でこの時42歳。バリバリの時だったようだ。映画は彼の独白を中心に一人称で描かれるので観やすいし、感情移入もしやすい。左眼だけでコミュニケーションをとるという壮絶な体験は一見の価値がある。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年12月16日15時33分)


歓喜の歌

◆歓喜の歌(日本)
監督:松岡錠司
出演:小林薫/伊藤敦史/由紀さおり
内容:年の瀬、町の文化会館で働く飯塚主任は自分がとんでもないミスを犯したことに気づいた。まぎらわしいグループ名を電話で聞き違えて、ママさんコーラスの大晦日のコンサートをダブルブッキングしてしまったのだ…
2/2公開(シネカノン有楽町1丁目/アミューズCQN/新宿ガーデンシネマ)

元は立川志の輔の新作落語である。毎年パルコを中心に行われている志の輔らくごでのもの。その20〜30分の演目を2時間近くに大幅に膨らませて作られたのがこの作品だ。ちなみに落語はDVDなどで見れると思う。すごく面白い落語である。(立川志の輔だから当然かもしれないが)

ただ、映画として膨らませる場合の追加話がちょっと多過ぎである。そこまで入れる必要性があるのだろうか?さらに、これは昨今の邦画に顕著なのだが、犯罪を犯してもその罰を受けない(法的であろうが、それ以外であろうが)、そして最後にはみんな幸せになりました!みたいなものであるということ。どうして、そうなってしまうのだろうか?

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年12月16日15時33分)


ラスト、コーション

◆ラスト、コーション(中国・アメリカ)
監督:アン・リー
出演:トニー・レオン/タン・ウェイ
内容:1942年、日本占領下の上海。抗日運動に身を投じる美しき女スパイ、ウォンは敵対する特務機関のリーダー、イーに近づき暗殺の機会を狙う。しかし、危険な逢瀬を重ねるうちうつしかウォンは虚無の匂いを漂わせるイーに魅かれていく…
2/2公開(シャンテ シネ/Bunkamura ル・シネマ/シネ・リーブル池袋)

女スパイと言っても、普通、考えてしまうようなプロとはちょっと違う。学生の演劇集団が抗日運動をしようということで、こういうことになった顛末を描いてある。だから、ズブの素人の暗殺集団ということで、彼らの成長物語という趣である。

もっとも、ほとんどは主役のウォンについて描かれるのであるが、暗殺しようとする相手のイーは愛人を作るのにもものすごく慎重で、ウォンはなかなか彼に近づいていくことができない。ところが、遂に2人が男女の関係になるとその濡場たるや、下手なAVよりも興奮してしまうくらいのいろんな体位のオン・パレードとなる。それは大人の映画ではあるんだけども、決着は自分としては不満である。観る者の考え方次第なんだけど…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年12月23日22時24分)


ノーカントリー

◆ノーカントリー(アメリカ)
監督:ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
出演:トミー・リー・ジョーンズ/ハビエル・バルデム
内容:砂漠で狩をしていたハンター、モスはある日死体に囲まれたピックアップ・トラックを発見する。荷台には大量のヘロインと現金200万ドル。その大金に手を出した彼は殺し屋から執拗につきまとわれ、保安官に追われることになる…
3/15公開(シャンテ シネ)

コーエン兄弟の初の原作もの。出てくる者は悪い奴ばかり。簡単に人を殺してしまう。アメリカって怖いな、と本当に思ってしまう。それは人間だということの表れではあろうけど、ここまで悪人ばかりなのだろうか?

もっとも保安官だけは大丈夫なように描かれるが、彼とて、この現状を憂う。そこがこの作品の本当とのテーマなのだが、それがダイレクトに伝わってくるかとは正直言って、首を傾げてしまう。それがコーエン兄弟テーストではあるんだろうけど、観てるときは面白くても、観終ってしまうと「何だったんだろう?」と考え込んでしまった。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年12月23日22時25分)


ぜんぶ、フィデルのせい

◆ぜんぶ、フィデルのせい(フランス)
監督:ジュリー・ガヴラス
出演:ニナ・ケルヴェル/ジュリー・ドパルデュー
内容:可愛いワンピースに上品な食事。大好きなものに囲まれて、完璧だったアンナの毎日。ところが、ある出来事をきっかけにパパとママが突然、社会的良心に目覚めてしまい、大きな変化が訪れる。すっかり共産主義を支持し始めたパパとママだったが…
1/19公開(恵比寿ガーデンシネマ)

フィデルというのはキューバのフィデル・カストロ。自分の周りの生活の変化にとまどってしまう少女アンナの心の声ともとれるタイトルだ。1970年代を舞台にしているが、冷戦真っ只中であるとはいえ、知らない人にはピンと来ないかもしれない。

しかも、アンナのカワイイ仕草(少々生意気だが)でホンワリとした映画かと思いきや、そのオブラートの奥には人々の生き方が生々しく描かれている。人はいずれもイデオロギーを選ぶ権利があるものかもしれないが…。ラストのその物悲しさは観終わった後も余韻が残る。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年01月13日23時43分)


すみれ人形

◆すみれ人形(日本)
監督:金子雅和
出演:小谷建仁/山田キヌヲ/松岡龍平
内容:地方都市の寂れた寄席で奇妙な腹話術を行う男。少女のような声で「すみれ」と名づけた人形の言葉をしゃべる。すみれは5年前、右腕だけを残し失踪した彼の妹だ。妹を探し続ける彼はある日、蜜子という謎めいた美女と出会う…
1/26公開(UPLINK X)

映画学校の生徒の制作作品ではあるが、画の切り方には新鮮なものもある。60分そこそこの作品のためでもあるが、もう少し予算があれば、いい作品になれたかもしれない気もしないではない。

ただ、この作品を気に入れるかどうかは、出てくる登場人物たちに感情移入ができるかどうかかもしれない。それくらい、出てくる全ての人物が日常とはかけ離れた性癖の持ち主たちばかり。かなり、きわどい表現も止むを得ないが、必然性に関しては少々、疑問を感じてしまうのだが…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年01月13日23時44分)


トゥヤーの結婚

◆トゥヤーの結婚(中国)
監督:ワン・チュアンアン
出演:ユー・ナン
内容:美しいトゥヤーは砂漠化する内モンゴルの草原で暮している。事故で下半身が麻痺した夫と幼い子供たち。過酷な労働がトゥヤーを蝕んでいく。夫の自殺未遂。死んでいく羊たち。彼女はある決断をする。生きていくために…
2/23公開(Bunkamura ル・シネマ)

美しいトゥヤーなんだけど、埃まみれで(砂漠地帯だからそう見えるのかもしれないが)いつも働いているので、そんなに美人には見えないが、ゆったりしてる時は女の色気を感じる。いや、働いている逞しい姿があるからこその美なのかもしれない。強い女は美しいものである。

けれど、それ以外の本当の強さをこの映画は描く。下半身麻痺の夫のために、離婚して新しい夫の条件を「前夫を一緒に養う」こととしたのである。それによって起こる悲喜こもごものドラマ。日本より自由の度合いが薄いだろうけど、この頑張りは立派と思ってしまう。もう日本では見られない愛かもしれない。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年01月21日02時04分)


マイ・ブルーベリー・ナイツ

◆マイ・ブルーベリー・ナイツ(フランス・香港)
監督:ウォン・カーウァイ
出演:ノラ・ジョーンズ/ジュード・ロウ
内容:恋人の心変わりで失恋したエリザベスを慰めてくれたのはカフェのオーナー、ジェレミーが作るブルーベリー・パイだった。しかしジェレミーとの恋の予感さえも別れた彼を忘れさせてはくれない。エリザベスは旅に出るのだった…
3/22公開(日比谷スカラ座ほか東宝洋画系)

ウォン・カーウァイ監督ということで、どうにも設定が「恋する惑星」の女性から描いたバージョンだと考えてしまう。しかしながら、男性ほど女性の描き方が良くない。もっと性格描写を少しでもしてくれると違うんだけどな。

男性陣はこの監督作品のいつものように未練たらしいし、ウジウジしている。対する女性陣はさっぱりしてるけど、そのさっぱりがどこから来るか、あるいは外見と内面は違うものであるということがあるとすれば、これよりは伝わってくるものがあったと思う。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年01月21日02時04分)


ブラブラバンバン

◆ブラブラバンバン(日本)
監督:草野陽花
出演:安良城紅/福本有希/岡田将生
内容:高校の吹奏楽部に、気持ちのいい音楽を聴くとエッチな暴走キャラになってしまう女子高生、芹生百合子がやってきた!彼女の奇行とマイペースぶりに振り回されながらも百合子の天才的な音楽の才能に惹かれ、部員たちはブラスバンドの甲子園「普門館」を目指す…
3/15公開(Q-AXシネマ/シネマート新宿/吉祥寺バウスシアター)

ブラスバンドがテーマだと「野だめカンタービレ」を思い出してしまうが、この作品もコミックスが原作。テーマ的にはかぶらないのだろうか?もっとも、こちらのほうはいいクラシックになるとエッチになるという主人公なので、若干、違うか…。

その主役を演じる安良城紅だが、演技はまるでダメ。のせいか、セリフが極端に少ない。でも、それは正解。彼女はしゃべらなくてもエロいので、充分に成り立つのである。でも、演出のキレが悪いかなあ。ボケ、ツッコミのメリハリをつければ、もっと笑えたのに…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年01月29日23時13分)


パラノイドパーク

◆パラノイドパーク(アメリカ・フランス)
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:ゲイブ・ネヴァンス/テイラー・モンセン
内容:16才のアレックスははじめたばかりのスケートボードに夢中。今日もパラノイドパークへ出かけていく。しかし、誤って1人の男性を死なせてしまう。目撃者は誰もいない。アレックスは不安に駆られながら日常を送っていくのだが…
4/12公開(シネセゾン渋谷)

16才という多感というか、自分の考えさえ暗中模索中の時である。その最中、殺人を犯してしまうと、心の中はどれだけの考えが蠢くだろう。この作品はそんな彼を描く、というかほぼ彼だけを描いているようなものである。

その描き方がモノローグ形式。結局、彼の考えは葛藤、葛藤の連続であるから、まずは嘘から入るのである。そうして、その自分の考え(ノートに書きながらということにしている)を少しずつ吐露していく。そのスピードは観客によってはじれったく感じてしまうだろう。しかし、それもまた、16才という少年にとってのものの尺度なのだろう。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年01月29日23時14分)


アメリカを売った男

◆アメリカを売った男(アメリカ)
監督:ビリー・レイ
出演:クリス・クーパー/ライアン・フィリップ
内容:2001年2月18日、FBI捜査官ロバート・ハンセンが逮捕された。20年以上にわたりKGBにアメリカの国家機密を売り続けていたという彼の罪は、世界中に大きな衝撃を与えた。彼はいかにして裏切りを隠し続けたのか。そして逮捕された裏側には何があったのか…
3/8公開(シャンテ シネ)

事実を元に描くドラマ。ロバート・ハンセン役のクリス・クーパーの演技が光る。普通だったら正義の側のライアン・フィリップが主人公になるんだろうけど、やっぱりこういう場合は犯人側に興味があるというもの。これも時代か?

ただ、彼らのやりとりは心理戦なので、わかりにくい人には難しい作品だ。FBIだからという、高度な心理戦ではなく、普通の人でもやってそうなものだが、案外、国家のスパイというものは普通の生活に紛れ込んでいるものなんだろうなあ。ちなみにロバート・ハンセンは50人以上のアメリカのスパイをロシア側に売ったそうで、スパイたちは処刑されたそうである。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年02月06日23時31分)


非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎

◆非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎(アメリカ)
監督:ジェシカ・ユー
内容:孤高のアウトサイダー・アーティスト、ヘンリー・ダーガーのミステリアスな生涯と創作の謎に迫るドキュメンタリー
春公開(シネマライズ)

自分はヘンリー・ダーガーという人を知らなかったので、ある程度、新鮮に映ったが、彼のように生きている間は評価されずに死んでからになって世に出たというのはゴッホみたいである。

ただ、この映画については、少年期と老年期のみの描き方で、あとは彼の作品の紹介(生涯とリンクされるのだが)。一番大事な青年期がほとんどないのは、とっつきにくい。資料がないのだろうか?しかし、その時期がもっとも悲喜こもごもの、人生の中心だろうと思うのだが…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年02月06日23時32分)


王妃の紋章

◆王妃の紋章(中国)
監督:チャン・イーモウ
出演:コン・リー/チョウ・ユンファ
内容:王家の掟は憎しみ合うこと、殺しあうこと、愛し合うこと。王家とは表も裏も凄まじい。中国史上もっとも華やかな唐王朝末期を舞台に描く史上最大の愛憎劇…
4/12公開(新宿武蔵野館/東劇)

中国の後唐時代をモデルにしているそうだ。きらびやかな衣装に、王宮の中の美術。なんともまばゆいものである。王族たちのやりたい放題な部分の象徴を見た目に描いたのだろうけど、加えて、女性たちがよせて上げて胸の上半分を露出している。この監督らしい、萌え系のエロである。

この監督のこれまでの作品で、自分の好きなところはシーンのつなぎ目がわりと早めに切って、スピーディーに展開させるものだという見解だったが、この作品に関してはさほどでもない。アクションも例の京劇系の、実際にはありえないもので、少々、食傷気味。見れなくはないけど、あんまり期待したいほうがいい映画と思ったほうが良さそうだ。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年02月13日20時23分)


美しすぎる母

◆美しすぎる母(スペイン・フランス・アメリカ)
監督:トム・ケイリン
出演:ジュリアン・ムーア/スティーヴン・ディレイン
内容:貧しい家庭で育ちながらも、その美しい美貌で大富豪ブルックスと結婚したバーバラ。彼女は待望の息子、トニーを授かり、幸せの絶頂にいた。だが、その幸せは長くは続かなかった…
初夏公開(Bunkamura ル・シネマ)

お金が一番大事なもの、お金大好き!という女性が主人公。ただし、それが決して上手くはいかないことを描いている。これは実話の映画化である。けれども、そのテーマよりも強いものがあるために、こちらは薄まっているようだ。

描き方が散文的なので、それもこのテーマならわからなくもないんだろうけど、結局、誰に注目していいのかどうか、見る側も迷ってしまいそうだ。セリフもまた、センスはあるけど、わかりにくいものなので(特に英語が不得手も人には)、そこがこの映画の好き嫌いにもつながりそうである。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年02月13日20時24分)


みなさんの映画評論7 − おわり −
ミニシアターフレンズ