みなさんの映画評論8
ミニシアターフレンズ

コントロール

◆コントロール(イギリス・アメリカ・オーストラリア・日本)
監督:アントン・コービン
出演:サム・ライリー/サマンサ・モートン
内容:ニュー・オーダーの前身として今や伝説のバンド、ジョイ・ディヴィジョン。そのヴォーカリスト、イアン・カーティスが駆け抜けた短くも波乱の生涯を描く…
3/15公開(シネマライズ)

ジョイ・ディヴィジョンのことは別の映画で知っていた。けれど、イアン・カーティスの人生の細部は知らなかったので、この映画でつぶさに知ることになった。自殺の直接の原因は、てんかんと三角関係。それだけナイーブな心の持ち主だったのだろうなあ…。

監督は写真家なので、画の構図が写真のようなキッチリとしたものになっている。それを気に入るかどうかは見る人の好き好きである。ただ、パンやズームは少ないのと、モノクロ作品にして、あまり細々した部分に気がいかないので、ストーリーに集中することにできた点は評価できる。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年02月17日15時27分)


靖国

◆靖国(日本・中国)
監督:リー・イン
内容:触れることすらタブーとされてきた靖国神社。中国人監督がその核心に迫ったドキュメンタリー。
4/12公開(新宿バルト9/Q-AXシネマ/銀座シネパトス)

これだけ身近にある場所でありながら、終戦の日に何が起こっているか知らなかった。この映画はその時、行われていることを詳しく見ることができる。ただ、外国の人が見ると、また日本人が勘違いされそうだ。

それとともに、神社で働く最後の刀匠の姿も描かれる。戦争中はここで作られた日本刀が軍人たちにくばられたそうだ。彼は黙して多くを語らないが、合間にはさまれるエピソードは知ることが少ないだけに衝撃を受ける。戦争中、捕虜の首を切る写真には生首が飛んでいるものもある…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年02月17日15時28分)


ビルマ、パゴダの影で

◆ビルマ、パゴダの影で(スイス) 監督:アイリーヌ・マーティー
内容:ビルマでの少数民族や宗教的少数派に対する抑圧の真実。国境地帯のジャングル、タイ側の難民キャンプにカメラは潜入する。そこでは幾千、幾万もの国内避難民や難民が過酷な生活を強いられていた…
3/15公開(UPLINK X)

日本人ジャーナリストが殺されたことで最近は知られているミャンマー。そこでの難民の様子を収めている。最初は案内役の当地の人間が無難なところしか案内してくれないので、それをまいて難民キャンプに行ったと言っている。観光で入国していると嘘をついてるので仕様がないのだが…。

ただ、そこでのインタビューが子供が多いということがちょっと引っかかる。子供たちの大変さはわかるんだけど、それ以上踏み込んだ話は聞けないんだから、もっと大人に聞いて、監督本人の考えも表せるようなものになったら良かったのに…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年02月27日20時54分)


ブレス

◆ブレス(韓国)
監督:キム・ギドク
出演:チャン・チェン
内容:自殺願望の死刑囚を突然、訪ねてきた孤独な女。白い面会室で彼女がプレゼントしたのは極彩色の四つの季節。それは叶うことのない断末魔の恋の始まりだった…
5/3公開(シネマート六本木)

キム・ギドク ワールドがいつものように展開される。この監督の作品は非現実の中で進行していく。それはよく考えるとおかしなことで首をひねりたくなるのだが、テンポよく、ちょっとした笑いも入ってくるので思わず見入ってしまう。

今回も途中から登場人物の気持ちがよくわからなくなってしまう。どう解釈したらいいのか、腑に落ちないところもある。でも、それを考えないのがキム・ギドク ワールドの正しい見方なのだろう。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年02月27日20時55分)


プライスレス 素敵な恋の見つけ方

◆プライスレス 素敵な恋の見つけ方(フランス)
監督:ピエール・サルヴァドーリ
出演:オドレイ・トトゥ/ガド・エルマレ 内容:ジャンは高級ホテルで働くお人よしのウェイター。ある夜、彼を億万長者と勘違いした美女イレーヌに誘惑されて夢のような一時を過ごすものの、ジャンの正体を知った彼女は姿を消してしまった…
3/8公開(シネカノン有楽町2丁目)

こういった作品は、お金だけではない大切なものが世の中にあるわ!というような雰囲気で物語は進むものなのだが、こういう描き方になってると、貧乏人はお金持ちをどのように利用すればいいのか!みたいなテーマのような気がしてくる。しかも、それが女タイプも男タイプも描かれるだけになおさらである。社会を逆に風刺しているのだろうか?

それにしてもフランスは男にとっては羨ましい国である。女のほうから積極的にアプローチしてくるのは、他のフランス映画でもよく見られ、これだったら、男も楽だなあ、なんて思ってしまう。まあ、どのみち、容姿が良くないといけないんだろうけど…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年03月04日23時11分)


タカダワタル的ゼロ

◆タカダワタル的ゼロ(日本)
監督:白石晃士
出演:高田渡/泉谷しげる/柄本明
内容:フォークシンガー・高田渡が惜しまれつつこの世を去って3年。前作『タカダワタル的』の原点となった映像が遂に公開。これが高田渡の最後のメッセージ…
5月公開(テアトル新宿/吉祥寺バウスシアター)

生前の高田渡コンサート風景と、彼の行きつけの飲み屋、吉祥寺のいせやでの彼の飲みっぷりが描かれている。コンサートでは泉谷しげるが飛び入り参加して、「春夏秋冬」などを歌う情景もある。

けれど、それだけと言えなくもない作品である。監督としては素直に素材に近いものを描く手法なんだろうけど、監督の主観的な視点も見たかったものである。高田渡の生き様に迫ってほしかった…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年03月04日23時12分)


ファクトリー・ガール

◆ファクトリー・ガール(アメリカ)
監督:ジョージ・ヒッケンルーパー
出演:シエナ・ミラー/ガイ・ピアース
内容:1965年、アンディ・ウォーホルがNYにFACTORYと呼ばれるスタジオを構え、アーティストたちの活気と才能で溢れていた頃、一人の飛び切り魅力的な女の子が登場した。名家セジウィック家の令嬢イーディ。彼女は瞬く間に時代のミューズとなった…
4/19公開(シネマライズ)

アンディ・ウォーホルは知ってるけど、イーディ・セジウィックのことは知らなかった。でもウォーホルだって、作品は知ってるけど、彼の人となりは知らない。1つの映画でいろんなことを知ることができた。まあ、彼らの一部分だけかもしれないけど。ちなみに、イーディとつき合うボブ・ディランも出てくるけど、彼の名前は出してない。すぐにわかるが…。

イーディの生涯は壮絶だけれども、自分で努力してないのに、いい思いをすれば、後は落ちるしかない、という典型的なもの。かわいそうかもしれないけど、因果応報である。彼女の本当の良さは描かれてないけど、それがあったら良かったのに…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年03月10日23時26分)


ハンティング・パーティ

◆ハンティング・パーティ(アメリカ)
監督:リチャード・シェパード
出演:リチャード・ギア/テレンス・ハワード
内容:未だ危険地帯の存続するサラエボ。国連にもCIAにも捕えられぬ戦争犯罪人=フォックスへの取材を試みた、3人の命知らずのジャーナリスト。フォックスに至近距離まで辿り着いたとき、彼らの前に立ちふさがったのは…
5月公開(シャンテ シネ/新宿武蔵野館)

実話なんだけど、動きが少なく、特に前半部分は話し合いが多すぎて、見ていて退屈である。それも主人公たちの行いに緊迫感が少なく、危険な目に遭っても、すぐに助けてもらえる展開が良くない。

せっかく、なかなかとりあげてもらえられないボスニアやモスリムの話なのに、これではもったいないというもの。やっぱりアメリカで作るにはこれが限界なのだろうか?でも、最後のクレジットはちょっと面白いので、すぐに席を立たないことをオススメしたい。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年03月10日23時27分)


幻影師 アイゼンハイム

◆幻影師 アイゼンハイム(アメリカ・チェコ)
監督:ニール・バーガー
出演:エドワード・ノートン/ポール・ジアマッティ
内容:19世紀末、ハプスブルグ帝国のウィーンでは大掛かりな奇術が一世を風靡していた。絶大な人気を誇っていたアイゼンハイムという幻影師はある日、幼なじみのソフィと再会。しかし、彼女はほどなく謎の死を遂げる。アイゼンハイムは彼女の幻影を蘇らそうとするが…
初夏公開(シャンテ シネ)

年に2〜3回、映画観てきて良かったなあと思わせてくれるものがあるが、これは今年になって初めて、それに該当する作品。でも、何を書いてもネタばれになりそうで、そうなるとまだ見てない人には逆効果。なので、内容は書きません。

こんなに面白いのに、単館上映とは…。キャストがシブいからかな?でも、面白いので、いずれ拡大上映されるでしょう。本当は自分だけが知る喜びと、一人でほくそ笑んでいているのも、また楽しいんだけど…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年03月17日00時31分)


Girl’s Box ラバーズ☆ハイ

◆Girl’s Box ラバーズ☆ハイ(日本)
監督:佐藤太
出演:長谷部優/長澤奈央/嘉陽愛子 内容:ここで歌うことが私たちの青春だった…
3/29公開(Q-AXシネマ)

ミュージシャンになりたい女の子が上京してシンガーを目指すんだけど、プロダクションのオーディションに受かったのにそれは詐欺だった。仕様がなく同じオーディションで落ちた女の子のところに行ったが、それがGirl’s Boxというクラブのような場所。そこで働き始める…。

前半は現実の厳しさを表して、なかなか面白い展開になっていると思った。ところがあるシーンで歌の力を過信させるような方向に行ってしまって…。例えて言うとアニメのマクロスのリン・ミンメイのようなことになります。ああ…。これ、シナリオ書いた時点で、スタッフの誰か文句言わなかったのだろうか?(マクロスはSFだし、そういうテーマが初だったからまだ許せる)お金かけて作ってるんだから、もう少しマジメに映画に向き合ってほしいものである。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年03月17日00時31分)


ビルマ、パゴダの影で

 すでに管理人さんの映画評が出ていますが、ま、追加コメントということで。
 ビルマの現状が非常によく描かれたドキュメンタリーです。「観光取材と偽って」ということ自体が、今のビルマでは命がけだということを知っておく必要があります。しかも監視の目をかいくぐって、ジャングルのカレン、カチン、ロヒンギャなどの難民、そして反政府組織であるABFSUなども取材に行っている。これはもう恐るべき行動力・取材力です。
 大人へのインタビューが少ないのも当然。大人はいま何もしゃべれないのです。恐怖政治下で、下手なことを言えば一家・一族が皆殺しになるかもしれない状況。登場人物の誰の顔にも笑顔が見られないという異常さに、私たちは現在のビルマ(決して軍事政権がいう「ミャンマー」ではなく)の希望のなさを見せつけられます。
 Tシャツを買うという程度の支援以外に何ができるのだろうと考える人は、まずこの映画を観ておくべきでしょう。

(育郎 2008年03月17日22時12分)


ラスベガスをぶっつぶせ

◆ラスベガスをぶっつぶせ(アメリカ)
監督:ロバート・ルケティック
出演:ケヴィン・スペイシー/ジム・スタージェス
内容:MITの学生ベンはある日、天才的な数学力を教授に見出され、ブラックジャックの必勝法を習得するチームに誘われる。高額な学費を稼ぐためベンは仲間とともに日夜トレーニングを続け、ラスベガス攻略を試みるが…
5/31公開(有楽座ほか)

ブラックジャックの必勝法は面白そうなのだが、細かい部分はぼやかしている。悪用を恐れたのだろうか?必勝法は違法ではないけれども、カジノ側はなんとかしたいので、用心棒のようなものを雇っている。それとの戦いなのだが…。

気楽な感じで見ていられる、いかにもハリウッド・エンタテインメントなのであるが、見て思ったのは、アメリカでは復讐という選択は当たり前なんだろうな、ということ。政治もそうなってるのは当然の話なのだと、密かに納得してしまった。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年03月24日18時40分)


クライマーズ・ハイ

◆クライマーズ・ハイ(日本)
監督:原田眞人
出演:堤真一/堺雅人/尾野真千子
内容:群馬県御巣鷹山。ジャンボ機墜落事故の全権デスクに任命されたのは、組織から一線を画した遊軍記者だった。モラルとは?真実とは?新聞は命の重さを問えるのか?
7/5公開(丸の内TOEI1ほか)

群馬県にある新聞社が舞台。同じ職場の仲間といえども、中ではドロドロの攻防戦が行われているのが描かれる。事故の一報が入った直後など、手持ちのカメラで細かいカット割りになっていて、その緊迫感を盛り上げている。

事故につながる真相を描くところにテーマがあるのだが、その重さのためか、数年後の主人公の様子などを並走させて、やわらげる配慮がなされている。けれども、その描き方もそこまで必要か?という気もする。メインは墜落事故の話なのである。主人公の親子関係はメインではないのであるから。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年03月24日18時40分)


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