ミニシアターフレンズ管理人さんの映画評論

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

◆ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(アメリカ)
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:ダニエル・デイ=ルイス/ポール・ダノ
内容:しがない鉱山労働者が石油採掘によって富と権力を手に入れていくのだが…
4/26公開(シャンテ シネ)

今年のアカデミー賞主演男優賞を取って、作品賞でも最後まで争った作品。個人的には実際に作品賞を取った作品よりはこちらのほうがまだいい。でも、こちらの作品もちょっと理解に苦しむかもしれない。宗教が絡むとそうならざるを得ないのかもしれない。

ポール・トーマス・アンダーソン監督の画作りは大好きである。彼の作品はいつでもそうであるが、大画面で、映画館のスクリーンで見たいなあ、と思わせてくれる。しかし、この作品のサントラは怖い。画面上は嬉しいことが起こってても、そんな音楽が流れるのである。これもこの監督のやり方なのだろう。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年04月08日20時36分)


アイム・ノット・ゼア

◆アイム・ノット・ゼア(アメリカ)
監督:トッド・ヘインズ
出演:ケイト・ブランシェット/ヒース・レジャー
内容:年間100本以上の「NEVER ENDING TOUR」を続ける現役のトップミュージシャンであり、10年間ノーベル文学賞の候補に挙がっている詩人でもある、<生ける伝説>ボブ・ディランの人生を描く…
4/26公開(シネマライズ/シネカノン有楽町2丁目)

ボブ・ディランの人生を描くのに、役名を別名にして、しかも、いろんな時代を別の俳優が演じている。なんで、こんなにわかりづらい描き方をしたんだろうなあ?ボブ・ディランを知ってるファンくらいでないと、理解しづらい部分もあるし…。

歌もいろいろと聞かせてほしかったものである。僕はそんなにボブ・ディランの歌を聴いたことがないので、もっと知りたかった…。権利関係が難しいのかもしれないけど、ボブ・ディランを描くと決めた以上、そのくらいはやってほしかった。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年04月08日20時33分)


きみの友だち

◆きみの友だち(日本)
監督:廣木隆一
出演:石橋杏奈/北浦愛/吉高由里子
内容:交通事故の後遺症がきっかけで、まわりに壁を作って生きてきた恵美。体が弱く、学校を休みがちなおっとりした由香。クラスで浮いてしまいがちな2人は、ある日を境にかけがえのない絆を深めていく…
7月公開(新宿武蔵野館/山梨先行(6/21〜))

原作は重松清。よくある邦画の悪い点なんだけど、その原作をそのまま映画化したように感じる。原作は未見だが、映像に即した構成にはなってないようだ。いろいろなタイプを男女関係なく、学校時代の悩みや苦しみを描くのだが、それも男性はよく描かれているのだが、女性は身体的な苦しみだけのようである。男性のように精神的な苦しみはない。

それでも、その1人1人のキャラクターは興味深い。もちろん男性のほうにだが、そんな苦しみは、自分も男性なので、よくわかる。涙腺が緩む場面もあったりする。障害を持つこともそうだが、全般的にキレイな感じがしてしまうのは自分だけだろうか?小さい頃のこととは言え、ひどい状況(大人が絡むとそうなる可能性がある)におかれるシーンを構築してほしかった。でも、やっぱり原作にない場面は出せないのだろうなあ…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年04月08日00時10分)


ジャージの二人

◆ジャージの二人(日本)
監督:中村義洋
出演:堺雅人/鮎川誠
内容:仕事を辞めた息子がグラビアカメラマンの父親に誘われ山奥の別荘へ。息子の妻はよその男と恋愛中。父親は3度目の結婚にも黄色信号が…。しかし、ここは携帯も入らない。そんな、いい年した父と息子がちょっと遅めでモラトリアムな夏休みを過ごす…
夏公開(恵比寿ガーデンシネマ)

堺雅人と鮎川誠の2人芝居と考えていい。こんな雰囲気、誰しも浸りたいのではないだろうか。世間から離れて自分の時間で生活していく。現代人には羨ましい限りの環境である。ということは、ここに出てくる人物たちは金銭的に余裕があるのである。それだけでも、この映画が世間離れしたものに見えてくる。

堺雅人と鮎川誠の演技はいい。堺雅人は演劇出身だが、鮎川誠はミュージシャン。お互い、もともとキャラクターが個性的なだけに、こういうハマッた役をやらせると映えてくる。ちなみに2人とも九州人。同じ九州出身者として、今後も注目したい2人である。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年04月08日00時09分)


クライマーズ・ハイ

◆クライマーズ・ハイ(日本)
監督:原田眞人
出演:堤真一/堺雅人/尾野真千子
内容:群馬県御巣鷹山。ジャンボ機墜落事故の全権デスクに任命されたのは、組織から一線を画した遊軍記者だった。モラルとは?真実とは?新聞は命の重さを問えるのか?
7/5公開(丸の内TOEI1ほか)

群馬県にある新聞社が舞台。同じ職場の仲間といえども、中ではドロドロの攻防戦が行われているのが描かれる。事故の一報が入った直後など、手持ちのカメラで細かいカット割りになっていて、その緊迫感を盛り上げている。

事故につながる真相を描くところにテーマがあるのだが、その重さのためか、数年後の主人公の様子などを並走させて、やわらげる配慮がなされている。けれども、その描き方もそこまで必要か?という気もする。メインは墜落事故の話なのである。主人公の親子関係はメインではないのであるから。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年03月24日18時40分)


ラスベガスをぶっつぶせ

◆ラスベガスをぶっつぶせ(アメリカ)
監督:ロバート・ルケティック
出演:ケヴィン・スペイシー/ジム・スタージェス
内容:MITの学生ベンはある日、天才的な数学力を教授に見出され、ブラックジャックの必勝法を習得するチームに誘われる。高額な学費を稼ぐためベンは仲間とともに日夜トレーニングを続け、ラスベガス攻略を試みるが…
5/31公開(有楽座ほか)

ブラックジャックの必勝法は面白そうなのだが、細かい部分はぼやかしている。悪用を恐れたのだろうか?必勝法は違法ではないけれども、カジノ側はなんとかしたいので、用心棒のようなものを雇っている。それとの戦いなのだが…。

気楽な感じで見ていられる、いかにもハリウッド・エンタテインメントなのであるが、見て思ったのは、アメリカでは復讐という選択は当たり前なんだろうな、ということ。政治もそうなってるのは当然の話なのだと、密かに納得してしまった。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年03月24日18時40分)


Girl’s Box ラバーズ☆ハイ

◆Girl’s Box ラバーズ☆ハイ(日本)
監督:佐藤太
出演:長谷部優/長澤奈央/嘉陽愛子 内容:ここで歌うことが私たちの青春だった…
3/29公開(Q-AXシネマ)

ミュージシャンになりたい女の子が上京してシンガーを目指すんだけど、プロダクションのオーディションに受かったのにそれは詐欺だった。仕様がなく同じオーディションで落ちた女の子のところに行ったが、それがGirl’s Boxというクラブのような場所。そこで働き始める…。

前半は現実の厳しさを表して、なかなか面白い展開になっていると思った。ところがあるシーンで歌の力を過信させるような方向に行ってしまって…。例えて言うとアニメのマクロスのリン・ミンメイのようなことになります。ああ…。これ、シナリオ書いた時点で、スタッフの誰か文句言わなかったのだろうか?(マクロスはSFだし、そういうテーマが初だったからまだ許せる)お金かけて作ってるんだから、もう少しマジメに映画に向き合ってほしいものである。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年03月17日00時31分)


幻影師 アイゼンハイム

◆幻影師 アイゼンハイム(アメリカ・チェコ)
監督:ニール・バーガー
出演:エドワード・ノートン/ポール・ジアマッティ
内容:19世紀末、ハプスブルグ帝国のウィーンでは大掛かりな奇術が一世を風靡していた。絶大な人気を誇っていたアイゼンハイムという幻影師はある日、幼なじみのソフィと再会。しかし、彼女はほどなく謎の死を遂げる。アイゼンハイムは彼女の幻影を蘇らそうとするが…
初夏公開(シャンテ シネ)

年に2〜3回、映画観てきて良かったなあと思わせてくれるものがあるが、これは今年になって初めて、それに該当する作品。でも、何を書いてもネタばれになりそうで、そうなるとまだ見てない人には逆効果。なので、内容は書きません。

こんなに面白いのに、単館上映とは…。キャストがシブいからかな?でも、面白いので、いずれ拡大上映されるでしょう。本当は自分だけが知る喜びと、一人でほくそ笑んでいているのも、また楽しいんだけど…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年03月17日00時31分)


ハンティング・パーティ

◆ハンティング・パーティ(アメリカ)
監督:リチャード・シェパード
出演:リチャード・ギア/テレンス・ハワード
内容:未だ危険地帯の存続するサラエボ。国連にもCIAにも捕えられぬ戦争犯罪人=フォックスへの取材を試みた、3人の命知らずのジャーナリスト。フォックスに至近距離まで辿り着いたとき、彼らの前に立ちふさがったのは…
5月公開(シャンテ シネ/新宿武蔵野館)

実話なんだけど、動きが少なく、特に前半部分は話し合いが多すぎて、見ていて退屈である。それも主人公たちの行いに緊迫感が少なく、危険な目に遭っても、すぐに助けてもらえる展開が良くない。

せっかく、なかなかとりあげてもらえられないボスニアやモスリムの話なのに、これではもったいないというもの。やっぱりアメリカで作るにはこれが限界なのだろうか?でも、最後のクレジットはちょっと面白いので、すぐに席を立たないことをオススメしたい。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年03月10日23時27分)


ファクトリー・ガール

◆ファクトリー・ガール(アメリカ)
監督:ジョージ・ヒッケンルーパー
出演:シエナ・ミラー/ガイ・ピアース
内容:1965年、アンディ・ウォーホルがNYにFACTORYと呼ばれるスタジオを構え、アーティストたちの活気と才能で溢れていた頃、一人の飛び切り魅力的な女の子が登場した。名家セジウィック家の令嬢イーディ。彼女は瞬く間に時代のミューズとなった…
4/19公開(シネマライズ)

アンディ・ウォーホルは知ってるけど、イーディ・セジウィックのことは知らなかった。でもウォーホルだって、作品は知ってるけど、彼の人となりは知らない。1つの映画でいろんなことを知ることができた。まあ、彼らの一部分だけかもしれないけど。ちなみに、イーディとつき合うボブ・ディランも出てくるけど、彼の名前は出してない。すぐにわかるが…。

イーディの生涯は壮絶だけれども、自分で努力してないのに、いい思いをすれば、後は落ちるしかない、という典型的なもの。かわいそうかもしれないけど、因果応報である。彼女の本当の良さは描かれてないけど、それがあったら良かったのに…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年03月10日23時26分)


タカダワタル的ゼロ

◆タカダワタル的ゼロ(日本)
監督:白石晃士
出演:高田渡/泉谷しげる/柄本明
内容:フォークシンガー・高田渡が惜しまれつつこの世を去って3年。前作『タカダワタル的』の原点となった映像が遂に公開。これが高田渡の最後のメッセージ…
5月公開(テアトル新宿/吉祥寺バウスシアター)

生前の高田渡コンサート風景と、彼の行きつけの飲み屋、吉祥寺のいせやでの彼の飲みっぷりが描かれている。コンサートでは泉谷しげるが飛び入り参加して、「春夏秋冬」などを歌う情景もある。

けれど、それだけと言えなくもない作品である。監督としては素直に素材に近いものを描く手法なんだろうけど、監督の主観的な視点も見たかったものである。高田渡の生き様に迫ってほしかった…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年03月04日23時12分)


プライスレス 素敵な恋の見つけ方

◆プライスレス 素敵な恋の見つけ方(フランス)
監督:ピエール・サルヴァドーリ
出演:オドレイ・トトゥ/ガド・エルマレ 内容:ジャンは高級ホテルで働くお人よしのウェイター。ある夜、彼を億万長者と勘違いした美女イレーヌに誘惑されて夢のような一時を過ごすものの、ジャンの正体を知った彼女は姿を消してしまった…
3/8公開(シネカノン有楽町2丁目)

こういった作品は、お金だけではない大切なものが世の中にあるわ!というような雰囲気で物語は進むものなのだが、こういう描き方になってると、貧乏人はお金持ちをどのように利用すればいいのか!みたいなテーマのような気がしてくる。しかも、それが女タイプも男タイプも描かれるだけになおさらである。社会を逆に風刺しているのだろうか?

それにしてもフランスは男にとっては羨ましい国である。女のほうから積極的にアプローチしてくるのは、他のフランス映画でもよく見られ、これだったら、男も楽だなあ、なんて思ってしまう。まあ、どのみち、容姿が良くないといけないんだろうけど…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年03月04日23時11分)


ブレス

◆ブレス(韓国)
監督:キム・ギドク
出演:チャン・チェン
内容:自殺願望の死刑囚を突然、訪ねてきた孤独な女。白い面会室で彼女がプレゼントしたのは極彩色の四つの季節。それは叶うことのない断末魔の恋の始まりだった…
5/3公開(シネマート六本木)

キム・ギドク ワールドがいつものように展開される。この監督の作品は非現実の中で進行していく。それはよく考えるとおかしなことで首をひねりたくなるのだが、テンポよく、ちょっとした笑いも入ってくるので思わず見入ってしまう。

今回も途中から登場人物の気持ちがよくわからなくなってしまう。どう解釈したらいいのか、腑に落ちないところもある。でも、それを考えないのがキム・ギドク ワールドの正しい見方なのだろう。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年02月27日20時55分)


ビルマ、パゴダの影で

◆ビルマ、パゴダの影で(スイス) 監督:アイリーヌ・マーティー
内容:ビルマでの少数民族や宗教的少数派に対する抑圧の真実。国境地帯のジャングル、タイ側の難民キャンプにカメラは潜入する。そこでは幾千、幾万もの国内避難民や難民が過酷な生活を強いられていた…
3/15公開(UPLINK X)

日本人ジャーナリストが殺されたことで最近は知られているミャンマー。そこでの難民の様子を収めている。最初は案内役の当地の人間が無難なところしか案内してくれないので、それをまいて難民キャンプに行ったと言っている。観光で入国していると嘘をついてるので仕様がないのだが…。

ただ、そこでのインタビューが子供が多いということがちょっと引っかかる。子供たちの大変さはわかるんだけど、それ以上踏み込んだ話は聞けないんだから、もっと大人に聞いて、監督本人の考えも表せるようなものになったら良かったのに…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年02月27日20時54分)


靖国

◆靖国(日本・中国)
監督:リー・イン
内容:触れることすらタブーとされてきた靖国神社。中国人監督がその核心に迫ったドキュメンタリー。
4/12公開(新宿バルト9/Q-AXシネマ/銀座シネパトス)

これだけ身近にある場所でありながら、終戦の日に何が起こっているか知らなかった。この映画はその時、行われていることを詳しく見ることができる。ただ、外国の人が見ると、また日本人が勘違いされそうだ。

それとともに、神社で働く最後の刀匠の姿も描かれる。戦争中はここで作られた日本刀が軍人たちにくばられたそうだ。彼は黙して多くを語らないが、合間にはさまれるエピソードは知ることが少ないだけに衝撃を受ける。戦争中、捕虜の首を切る写真には生首が飛んでいるものもある…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年02月17日15時28分)


コントロール

◆コントロール(イギリス・アメリカ・オーストラリア・日本)
監督:アントン・コービン
出演:サム・ライリー/サマンサ・モートン
内容:ニュー・オーダーの前身として今や伝説のバンド、ジョイ・ディヴィジョン。そのヴォーカリスト、イアン・カーティスが駆け抜けた短くも波乱の生涯を描く…
3/15公開(シネマライズ)

ジョイ・ディヴィジョンのことは別の映画で知っていた。けれど、イアン・カーティスの人生の細部は知らなかったので、この映画でつぶさに知ることになった。自殺の直接の原因は、てんかんと三角関係。それだけナイーブな心の持ち主だったのだろうなあ…。

監督は写真家なので、画の構図が写真のようなキッチリとしたものになっている。それを気に入るかどうかは見る人の好き好きである。ただ、パンやズームは少ないのと、モノクロ作品にして、あまり細々した部分に気がいかないので、ストーリーに集中することにできた点は評価できる。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年02月17日15時27分)


美しすぎる母

◆美しすぎる母(スペイン・フランス・アメリカ)
監督:トム・ケイリン
出演:ジュリアン・ムーア/スティーヴン・ディレイン
内容:貧しい家庭で育ちながらも、その美しい美貌で大富豪ブルックスと結婚したバーバラ。彼女は待望の息子、トニーを授かり、幸せの絶頂にいた。だが、その幸せは長くは続かなかった…
初夏公開(Bunkamura ル・シネマ)

お金が一番大事なもの、お金大好き!という女性が主人公。ただし、それが決して上手くはいかないことを描いている。これは実話の映画化である。けれども、そのテーマよりも強いものがあるために、こちらは薄まっているようだ。

描き方が散文的なので、それもこのテーマならわからなくもないんだろうけど、結局、誰に注目していいのかどうか、見る側も迷ってしまいそうだ。セリフもまた、センスはあるけど、わかりにくいものなので(特に英語が不得手も人には)、そこがこの映画の好き嫌いにもつながりそうである。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年02月13日20時24分)


王妃の紋章

◆王妃の紋章(中国)
監督:チャン・イーモウ
出演:コン・リー/チョウ・ユンファ
内容:王家の掟は憎しみ合うこと、殺しあうこと、愛し合うこと。王家とは表も裏も凄まじい。中国史上もっとも華やかな唐王朝末期を舞台に描く史上最大の愛憎劇…
4/12公開(新宿武蔵野館/東劇)

中国の後唐時代をモデルにしているそうだ。きらびやかな衣装に、王宮の中の美術。なんともまばゆいものである。王族たちのやりたい放題な部分の象徴を見た目に描いたのだろうけど、加えて、女性たちがよせて上げて胸の上半分を露出している。この監督らしい、萌え系のエロである。

この監督のこれまでの作品で、自分の好きなところはシーンのつなぎ目がわりと早めに切って、スピーディーに展開させるものだという見解だったが、この作品に関してはさほどでもない。アクションも例の京劇系の、実際にはありえないもので、少々、食傷気味。見れなくはないけど、あんまり期待したいほうがいい映画と思ったほうが良さそうだ。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年02月13日20時23分)


非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎

◆非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎(アメリカ)
監督:ジェシカ・ユー
内容:孤高のアウトサイダー・アーティスト、ヘンリー・ダーガーのミステリアスな生涯と創作の謎に迫るドキュメンタリー
春公開(シネマライズ)

自分はヘンリー・ダーガーという人を知らなかったので、ある程度、新鮮に映ったが、彼のように生きている間は評価されずに死んでからになって世に出たというのはゴッホみたいである。

ただ、この映画については、少年期と老年期のみの描き方で、あとは彼の作品の紹介(生涯とリンクされるのだが)。一番大事な青年期がほとんどないのは、とっつきにくい。資料がないのだろうか?しかし、その時期がもっとも悲喜こもごもの、人生の中心だろうと思うのだが…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年02月06日23時32分)


アメリカを売った男

◆アメリカを売った男(アメリカ)
監督:ビリー・レイ
出演:クリス・クーパー/ライアン・フィリップ
内容:2001年2月18日、FBI捜査官ロバート・ハンセンが逮捕された。20年以上にわたりKGBにアメリカの国家機密を売り続けていたという彼の罪は、世界中に大きな衝撃を与えた。彼はいかにして裏切りを隠し続けたのか。そして逮捕された裏側には何があったのか…
3/8公開(シャンテ シネ)

事実を元に描くドラマ。ロバート・ハンセン役のクリス・クーパーの演技が光る。普通だったら正義の側のライアン・フィリップが主人公になるんだろうけど、やっぱりこういう場合は犯人側に興味があるというもの。これも時代か?

ただ、彼らのやりとりは心理戦なので、わかりにくい人には難しい作品だ。FBIだからという、高度な心理戦ではなく、普通の人でもやってそうなものだが、案外、国家のスパイというものは普通の生活に紛れ込んでいるものなんだろうなあ。ちなみにロバート・ハンセンは50人以上のアメリカのスパイをロシア側に売ったそうで、スパイたちは処刑されたそうである。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年02月06日23時31分)


パラノイドパーク

◆パラノイドパーク(アメリカ・フランス)
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:ゲイブ・ネヴァンス/テイラー・モンセン
内容:16才のアレックスははじめたばかりのスケートボードに夢中。今日もパラノイドパークへ出かけていく。しかし、誤って1人の男性を死なせてしまう。目撃者は誰もいない。アレックスは不安に駆られながら日常を送っていくのだが…
4/12公開(シネセゾン渋谷)

16才という多感というか、自分の考えさえ暗中模索中の時である。その最中、殺人を犯してしまうと、心の中はどれだけの考えが蠢くだろう。この作品はそんな彼を描く、というかほぼ彼だけを描いているようなものである。

その描き方がモノローグ形式。結局、彼の考えは葛藤、葛藤の連続であるから、まずは嘘から入るのである。そうして、その自分の考え(ノートに書きながらということにしている)を少しずつ吐露していく。そのスピードは観客によってはじれったく感じてしまうだろう。しかし、それもまた、16才という少年にとってのものの尺度なのだろう。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年01月29日23時14分)


ブラブラバンバン

◆ブラブラバンバン(日本)
監督:草野陽花
出演:安良城紅/福本有希/岡田将生
内容:高校の吹奏楽部に、気持ちのいい音楽を聴くとエッチな暴走キャラになってしまう女子高生、芹生百合子がやってきた!彼女の奇行とマイペースぶりに振り回されながらも百合子の天才的な音楽の才能に惹かれ、部員たちはブラスバンドの甲子園「普門館」を目指す…
3/15公開(Q-AXシネマ/シネマート新宿/吉祥寺バウスシアター)

ブラスバンドがテーマだと「野だめカンタービレ」を思い出してしまうが、この作品もコミックスが原作。テーマ的にはかぶらないのだろうか?もっとも、こちらのほうはいいクラシックになるとエッチになるという主人公なので、若干、違うか…。

その主役を演じる安良城紅だが、演技はまるでダメ。のせいか、セリフが極端に少ない。でも、それは正解。彼女はしゃべらなくてもエロいので、充分に成り立つのである。でも、演出のキレが悪いかなあ。ボケ、ツッコミのメリハリをつければ、もっと笑えたのに…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年01月29日23時13分)


マイ・ブルーベリー・ナイツ

◆マイ・ブルーベリー・ナイツ(フランス・香港)
監督:ウォン・カーウァイ
出演:ノラ・ジョーンズ/ジュード・ロウ
内容:恋人の心変わりで失恋したエリザベスを慰めてくれたのはカフェのオーナー、ジェレミーが作るブルーベリー・パイだった。しかしジェレミーとの恋の予感さえも別れた彼を忘れさせてはくれない。エリザベスは旅に出るのだった…
3/22公開(日比谷スカラ座ほか東宝洋画系)

ウォン・カーウァイ監督ということで、どうにも設定が「恋する惑星」の女性から描いたバージョンだと考えてしまう。しかしながら、男性ほど女性の描き方が良くない。もっと性格描写を少しでもしてくれると違うんだけどな。

男性陣はこの監督作品のいつものように未練たらしいし、ウジウジしている。対する女性陣はさっぱりしてるけど、そのさっぱりがどこから来るか、あるいは外見と内面は違うものであるということがあるとすれば、これよりは伝わってくるものがあったと思う。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年01月21日02時04分)


トゥヤーの結婚

◆トゥヤーの結婚(中国)
監督:ワン・チュアンアン
出演:ユー・ナン
内容:美しいトゥヤーは砂漠化する内モンゴルの草原で暮している。事故で下半身が麻痺した夫と幼い子供たち。過酷な労働がトゥヤーを蝕んでいく。夫の自殺未遂。死んでいく羊たち。彼女はある決断をする。生きていくために…
2/23公開(Bunkamura ル・シネマ)

美しいトゥヤーなんだけど、埃まみれで(砂漠地帯だからそう見えるのかもしれないが)いつも働いているので、そんなに美人には見えないが、ゆったりしてる時は女の色気を感じる。いや、働いている逞しい姿があるからこその美なのかもしれない。強い女は美しいものである。

けれど、それ以外の本当の強さをこの映画は描く。下半身麻痺の夫のために、離婚して新しい夫の条件を「前夫を一緒に養う」こととしたのである。それによって起こる悲喜こもごものドラマ。日本より自由の度合いが薄いだろうけど、この頑張りは立派と思ってしまう。もう日本では見られない愛かもしれない。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年01月21日02時04分)


すみれ人形

◆すみれ人形(日本)
監督:金子雅和
出演:小谷建仁/山田キヌヲ/松岡龍平
内容:地方都市の寂れた寄席で奇妙な腹話術を行う男。少女のような声で「すみれ」と名づけた人形の言葉をしゃべる。すみれは5年前、右腕だけを残し失踪した彼の妹だ。妹を探し続ける彼はある日、蜜子という謎めいた美女と出会う…
1/26公開(UPLINK X)

映画学校の生徒の制作作品ではあるが、画の切り方には新鮮なものもある。60分そこそこの作品のためでもあるが、もう少し予算があれば、いい作品になれたかもしれない気もしないではない。

ただ、この作品を気に入れるかどうかは、出てくる登場人物たちに感情移入ができるかどうかかもしれない。それくらい、出てくる全ての人物が日常とはかけ離れた性癖の持ち主たちばかり。かなり、きわどい表現も止むを得ないが、必然性に関しては少々、疑問を感じてしまうのだが…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年01月13日23時44分)


ぜんぶ、フィデルのせい

◆ぜんぶ、フィデルのせい(フランス)
監督:ジュリー・ガヴラス
出演:ニナ・ケルヴェル/ジュリー・ドパルデュー
内容:可愛いワンピースに上品な食事。大好きなものに囲まれて、完璧だったアンナの毎日。ところが、ある出来事をきっかけにパパとママが突然、社会的良心に目覚めてしまい、大きな変化が訪れる。すっかり共産主義を支持し始めたパパとママだったが…
1/19公開(恵比寿ガーデンシネマ)

フィデルというのはキューバのフィデル・カストロ。自分の周りの生活の変化にとまどってしまう少女アンナの心の声ともとれるタイトルだ。1970年代を舞台にしているが、冷戦真っ只中であるとはいえ、知らない人にはピンと来ないかもしれない。

しかも、アンナのカワイイ仕草(少々生意気だが)でホンワリとした映画かと思いきや、そのオブラートの奥には人々の生き方が生々しく描かれている。人はいずれもイデオロギーを選ぶ権利があるものかもしれないが…。ラストのその物悲しさは観終わった後も余韻が残る。

(ミニシアターフレンズ管理人 2008年01月13日23時43分)


ノーカントリー

◆ノーカントリー(アメリカ)
監督:ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
出演:トミー・リー・ジョーンズ/ハビエル・バルデム
内容:砂漠で狩をしていたハンター、モスはある日死体に囲まれたピックアップ・トラックを発見する。荷台には大量のヘロインと現金200万ドル。その大金に手を出した彼は殺し屋から執拗につきまとわれ、保安官に追われることになる…
3/15公開(シャンテ シネ)

コーエン兄弟の初の原作もの。出てくる者は悪い奴ばかり。簡単に人を殺してしまう。アメリカって怖いな、と本当に思ってしまう。それは人間だということの表れではあろうけど、ここまで悪人ばかりなのだろうか?

もっとも保安官だけは大丈夫なように描かれるが、彼とて、この現状を憂う。そこがこの作品の本当とのテーマなのだが、それがダイレクトに伝わってくるかとは正直言って、首を傾げてしまう。それがコーエン兄弟テーストではあるんだろうけど、観てるときは面白くても、観終ってしまうと「何だったんだろう?」と考え込んでしまった。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年12月23日22時25分)


ラスト、コーション

◆ラスト、コーション(中国・アメリカ)
監督:アン・リー
出演:トニー・レオン/タン・ウェイ
内容:1942年、日本占領下の上海。抗日運動に身を投じる美しき女スパイ、ウォンは敵対する特務機関のリーダー、イーに近づき暗殺の機会を狙う。しかし、危険な逢瀬を重ねるうちうつしかウォンは虚無の匂いを漂わせるイーに魅かれていく…
2/2公開(シャンテ シネ/Bunkamura ル・シネマ/シネ・リーブル池袋)

女スパイと言っても、普通、考えてしまうようなプロとはちょっと違う。学生の演劇集団が抗日運動をしようということで、こういうことになった顛末を描いてある。だから、ズブの素人の暗殺集団ということで、彼らの成長物語という趣である。

もっとも、ほとんどは主役のウォンについて描かれるのであるが、暗殺しようとする相手のイーは愛人を作るのにもものすごく慎重で、ウォンはなかなか彼に近づいていくことができない。ところが、遂に2人が男女の関係になるとその濡場たるや、下手なAVよりも興奮してしまうくらいのいろんな体位のオン・パレードとなる。それは大人の映画ではあるんだけども、決着は自分としては不満である。観る者の考え方次第なんだけど…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年12月23日22時24分)


歓喜の歌

◆歓喜の歌(日本)
監督:松岡錠司
出演:小林薫/伊藤敦史/由紀さおり
内容:年の瀬、町の文化会館で働く飯塚主任は自分がとんでもないミスを犯したことに気づいた。まぎらわしいグループ名を電話で聞き違えて、ママさんコーラスの大晦日のコンサートをダブルブッキングしてしまったのだ…
2/2公開(シネカノン有楽町1丁目/アミューズCQN/新宿ガーデンシネマ)

元は立川志の輔の新作落語である。毎年パルコを中心に行われている志の輔らくごでのもの。その20〜30分の演目を2時間近くに大幅に膨らませて作られたのがこの作品だ。ちなみに落語はDVDなどで見れると思う。すごく面白い落語である。(立川志の輔だから当然かもしれないが)

ただ、映画として膨らませる場合の追加話がちょっと多過ぎである。そこまで入れる必要性があるのだろうか?さらに、これは昨今の邦画に顕著なのだが、犯罪を犯してもその罰を受けない(法的であろうが、それ以外であろうが)、そして最後にはみんな幸せになりました!みたいなものであるということ。どうして、そうなってしまうのだろうか?

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年12月16日15時33分)


潜水服は蝶の夢を見る

◆潜水服は蝶の夢を見る(フランス・アメリカ)
監督:ジュリアン・シュナーベル
出演:マチュー・アマルリック/エマニュエル・セニエ
内容:ジャン=ドミニク・ボビーは目覚める。そこは病室。自分が脳梗塞で倒れ、運び込まれたことを徐々に思い出す。だが、おかしい。意識ははっきりしているのに、自分の言葉が通じない。しかも、身体全体が動かない。唯一、動くのは左眼のまぶただけ…
1月公開(シネマライズ)

意外なことにこの原作本というのが日本ではこれまで発売されてなかったようで、この映画の公開に合わせて発売されるそうだ。欧米では発売当時、ベストセラーになっているにも関わらずである。

それというのも、この主人公はファッション雑誌ELLEの編集長だった人でこの時42歳。バリバリの時だったようだ。映画は彼の独白を中心に一人称で描かれるので観やすいし、感情移入もしやすい。左眼だけでコミュニケーションをとるという壮絶な体験は一見の価値がある。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年12月16日15時33分)


凍える鏡

◆凍える鏡(日本)
監督:大嶋拓
出演:田中圭/冨樫真/渡辺美佐子
内容:都会の片隅で自分の描いた絵を売る青年と、信州の山荘にひとり暮す童話作家。ある日2人は街の雑踏で出会い、いつしか不思議な絆で結ばれていく。しかし男は幼児期のDV体験で精神は不安定で、すぐに怒りを爆発させ周囲と問題を起すのだった…
2008年早春公開(シネマ・アンジェリカ)

観てて感じたのは、映像っぽくない雰囲気を醸し出すなあということだった。特にこの人が主人公という描き方をしてないせいもあって、演劇っぽく思ってしまうのである。カット割りもそんなことを感じさせる一因だろう。

ただ、その分、出演者たちが確かな演技を見せてくれる。主となる3人の演技(上記の出演者たち)は、それぞれ味があって映画ファンとしては楽しい気分にさせてくれる。もっとも、お話自体は各キャラクターのディープな内面を描くので、笑って鑑賞するものではないが…。それもまた味のあるものになっている。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年12月10日12時04分)


結婚しようよ

◆結婚しようよ(日本)
監督:佐々部清
出演:三宅裕司/真野響子/藤澤恵麻
内容:学生だった70年代、フォーク歌手を目指していたが挫折し、今では妻と2人の娘を持つごく普通のサラリーマン。毎日家族揃って夕飯をとるのを生きがいとしていた。やがて娘たちの自立、妻の思いがけない自立宣言でルールは崩れていく…
2/2公開(全国)

「僕の髪が〜、肩まで伸びて〜♪」という吉田拓郎おなじみのヒットソングがタイトルの由来。その頃のフォーク世代には懐かしさも手伝って心地よく鑑賞することができると思う。

ただ、展開があまりにもベタなので、それをどう捉えるかが課題。(鑑賞者がそんなことを考えないといけないのもつらいなあ)個人的には中ノ森BANDの面々が出演しているのが興味を引く。ミュージシャンにしては悪くない演技である。(リーダーだけだが)今後、こういう仕事も増えるかも…と余計な詮索もしてしまう。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年12月10日12時01分)


アドリブ・ナイト

◆アドリブ・ナイト(韓国)
監督:イ・ユンギ
出演:ハン・ヒョジュ/キム・ヨンミン
内容:突然2人連れの青年から声をかけられ、行方不明の女性に間違えられた女性。彼女のその女性の身代わりとして、その父親の臨終に立ち会う羽目に…
2月公開(アミューズCQN)

日本の短編小説が原作。小説だと、そのメディアの特徴ゆえに、このような展開もすんなり入っていけるんだけど、実写であると、もっとその世界に入り込ませるような要素をいくつか追加してほしい。

長コマ・手持ちの独特の味のある撮影方法は大変心地よい。ヒロインのハン・ヒョジュも素朴なかわいさが後味を良いものにしている。静かなストーリーなので、あまり期待を持たずに喫茶店に行くような心持ちで見てくれると一番、しっくりくる作品だろう。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年12月02日22時22分)


ビー・ムービー

◆ビー・ムービー(アメリカ)
監督:サイモン・J・スミス/スティーブ・ヒックナー
出演:(声)ジェリー・サインフィールド/レネー・ゼルウィガー
内容:誰にでも自分にしかできない大切な役割がある、というポジティブまメッセージを、ミツバチと人間の素敵な関係…
1/26公開(丸の内プラゼール他)

アニメと言えど、アメリカの作品であれば、しっかりした作りで大人の鑑賞にも耐えうる。日本の作品でもそうだけれど、笑わせるという点ではアメリカには及ばない。キャストにもコメディアンを使って、アドリブを利かせている気がする。

ハチの社会がまるで人間の管理社会のようになっていて(何せ蜂蜜を作るのが唯一の職業なのだから)、そんな中で主人公のミツバチが外の世界、特に人間たちに興味を持つというもの。それ自体は面白い設定なのだが、ストーリーの基本ライン、最初に定義したものからは少し離れてしまった展開が惜しい。ちょっと欲張りすぎた作品かもしれない。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年12月02日22時21分)


ペルソナ

◆ペルソナ(日本)
監督:樫原辰郎
出演:山崎真実/萩原聖人/鈴木砂羽
内容:謎の人体実験に巻き込まれ、ひとりの女子大生・日和の人生は一変した…。研究所から脱走する彼女。別の人格によって心と体が蝕まれていく彼女の危機を、若き医者・幸一郎が救う。いつしか互いに惹かれあう2人。だが追っ手からの攻撃は激しさを増していく… 1/26公開(シネマート六本木)

SFとは言っても大きな仕掛けではないと最初は思った。しかし、このように小規模のSFは渋くて面白いとも。しかし、だんだんとアクション・シーンたっぷりの展開になっていく。

どうも、その描き方がマトリックスっぽいのである。いや、今の映画シーンでアクションになると、マトリックスの影響を受けてないほうが珍しいくらいなのであるが…。それを面白いと受け取れるかどうかは見た人次第と言えるだろう。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年11月26日15時13分)


おそいひと

◆おそいひと(日本)
監督:柴田剛
出演:住田雅清/とりいまり/堀田直蔵
内容:電動車椅子で移動し、ボイスマシーンで会話を交わす。重度障害者である住田は介護者のサポートを受けながら平穏な日々を過ごしていた。そんなある日、住田のもとに介護を経験したいという敦子が現れた。この日を境に住田は次第に狂気に身を委ねていく… 12月公開(ポレポレ東中野)

障害者の日常も表しながら、その障害者自身の精神状態の流れていくさまを追うという、たぶん初の試みの作品だろう。障害者をそのように描くのに賛否両論らしいが、個人的にはこういうのがあってもいいと思う。あり過ぎると困るとも思うが。

その表現の仕方だが、ちょっと自己中毒になってると見えない向きもないが、中にはオオッと唸ってしまうシーンもある。新鮮なものがあるのである。全体に障害者の1人称で描かれるので、気分では主人公に感情移入してしまうが、あなたはどう思われますか?

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年11月26日15時12分)


ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ

◆ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ(日本)
監督:北村拓司
出演:市原隼人/関めぐみ/浅利陽介
内容:オレはナイフを持ってチェーンソー男と戦う彼女と出会った。目的の無い日々を送る高校生陽介の前に現れたのは、チェーンソーを振り回す不死身の男と制服の美少女・絵理との激しいバトル!一体コイツらは何なんだ?
1/19公開(Q-AXシネマ/シネ・リーブル池袋/新宿ジョイシネマ)

チェーンソー男が登場するがホラー映画ではない。対決する彼女がカッコいいという、マンガにあるような展開である。しかし、彼らの目的はよくわからないし、それ以外の人々は全く関係してこない。唯一、主人公の男の子がその彼女をサポートするものなのである。

原作者の滝本竜彦はひきこもりだったそうだ。勝手に想像するのは良くないかもしれないが、作者が体験してみたい世界が構築されていて、その存在理由なんてどうでもいいのかもしれない。もちろん作品として理由はつけられているが、あくまで感覚的なもの。その感覚を感知できれば、この作品は楽しいものになるだろう。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年11月18日18時34分)


迷子の警察音楽隊

◆迷子の警察音楽隊(イスラエル・フランス)
監督:エラン・コリリン
出演:サッソン・ガーベイ/ロニ・エルカベッツ
内容:演奏旅行のためにイスラエルにやってきたエジプト警察の音楽隊。空港に出迎えはなく、迷子になった彼らがたどりついたのは砂漠の真ん中の小さい町だった。長い間対立してきたイスラエルの地元民たちと一晩を一緒に過ごす羽目になったのだが…
12/22公開(シネカノン有楽町2丁目)

イスラエルでアラブ人が迷子になる。それだけ聞くと、何か恐ろしいことが起こるのでは?とも思うのだが、イスラエルにだってアラブ人は住んでいるのである。そんなことより、エジプト警察の音楽隊は自分たちがクラシカルな音楽をやってるので、存続の危機にあるということのほうが心配なのである。

音楽隊が主人公の映画なのにBGMは極端に少ない。ただ、そのことが観ているものにとっては想像を膨らませることができて、いろんな場面に注目するし、その“考える”という気持ちの良さを味合うことができる。たまにはこんな映画も観てみてほしい。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年11月18日18時34分)


シルク

◆シルク(日本・カナダ・イタリア)
監督:フランソワ・ジラール
出演:マイケル・ピット/キーラ・ナイトレイ
内容:19世紀フランス。戦地から戻ったばかりの若き軍人エルヴェは美しいエレーヌと出会い恋に落ち、やがて2人は結婚する。そんな矢先、村で蚕の疫病が発生し、エルヴェは蚕の卵を手に入れるため海を渡り極東の国、日本へ…
1/19公開(日劇3ほか東宝洋画系)

タイトルからの触発だろうか、全体的にキレイな叙情的な映像が続く。話としては簡単なラブ・ストーリーだが、その映像ゆえに誘い込まれて見てしまう。日本人の神秘性もまた、よく描かれてる気はするけど、欧米人に日本人の印象が度が過ぎてとらわれるのは嫌だなあ。

しかし、フランスが舞台なのに、英語をしゃべっているのには閉口してしまう。もう、そんな時代ではないだろう。その国が舞台でその国の人の設定ならば、その国の言葉をしゃべってもらいたい。雰囲気がぜんぜん違うんだから。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年11月11日23時30分)


明日への遺言

◆明日への遺言(日本)
監督:小泉堯史
出演:藤田まこと/ロバート・レッサー
内容:今なお戦争の止まない世界の現実の中、これからの時代をどう生きていけばよいのか?第二次世界大戦終了後、「法戦」をたった一人戦い抜いた岡田資(たすく)中将の誇り高き生涯…
3/1公開(渋谷東急ほか松竹・東急系)

名古屋の空襲の際、空爆機からパラシュートで脱出してきたパイロットたちを斬首した罪で、B・C級戦犯として裁かれる岡田中将にスポットを当てる。彼の人柄、周りの信頼感など、心温まる内容だ。

けれども、心温まるシーンしかないので、食傷気味になってしまう。また、裁判の風景がほとんどなのであるが、そこで問答する岡田中将役の藤田まことに関しては素晴らしいと思うのだが、結局は詭弁のような気もしてしまう。こちらは消化不良になっていそうなのだが…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年11月11日23時30分)


THEM ゼム

◆THEM ゼム(フランス)
監督:ダヴィッド・モロー/グザヴィエ・パリュ
出演:オリビア・ボナミー/ミヒャエル・コーエン
内容:真夜中。孤立した森の中の一軒家。不気味な反復音とともに奴らの襲撃は突然はじまった。いったい何者が?何のために?やがて屋敷は迷路と化し、暗闇の地獄で悪夢のようなサバイバルは続く… 正月第2弾公開(シネセゾン渋谷)

ホラー映画はよく見かけるハリウッドや日本の映画だと、この辺で怖いカットがあるなあ、なんていうのが大体わかるのだが、それ以外の国の映画だと、そのパターンが読みづらく、ここで来るのかあ、とか、来るかも来るかも?なんて余計にドキドキしたりして、心臓がバクバクしてしまう気がする。

しかも、この映画くらい、相手が読めないものも珍しい。そういう読めないような描き方をしているのだが、それがまた不安定な気持ちにさせて、ドキドキ感を助長しているのだ。怖い、いや上手いなあ…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年11月04日18時50分)


マイティ・ハート/愛と絆

◆マイティ・ハート/愛と絆(アメリカ)
監督:マイケル・ウィンターボトム
出演:アンジェリーナ・ジョリー/ダン・ファターマン 内容:2002年にパキスタンで取材中に誘拐された新聞記者ダニエル・パール事件の真相とは?
11/23公開(TOHOシネマズ六本木ヒルズ)

本当にあった話を描く。一人の人間が紛争地帯でどのように誘拐され、それがどのように展開していくか?人質になった関係者の側から描くので、臨場感は満点である。

誘拐された新聞記者。その妻役にはアンジェリーナ・ジョリーが扮する。ものすごいアクションがあるわけでもなく、かと言って、彼女を始め、俳優陣からは緊迫した雰囲気がほど良く伝わってくる。監督はマイケル・ウィンターボトム。なるほどと思わせる。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年11月04日18時50分)


リアル鬼ごっこ

◆リアル鬼ごっこ(日本)
監督:柴田一成
出演:石田卓也/谷村美月/大東俊介
内容:西暦3000年、国王による恐怖政治が敷かれた日本。王の命令によって何故か“佐藤”姓を持つ人々だけが、捕まると殺されるリアル鬼ごっこの標的として追われる…
正月第2弾公開(テアトル新宿)

設定はSF好きにとっては面白いんだけど、あまり知らない人にとってはわかりづらいかもしれない。だからと言って、説明セリフをやたらに使うのはいかがだろうか?普通の会話でそういう言い方はしないし、見ていてもつまらない。見る者に考えさせる見せ方がいいのに…。

あと、SFっていうのはやろうと思えば、何だってできる世界なんだけど、最低限、最初に提示した設定は守ってやらないと、見ている方は面食らってしまう。せっかく面白い設定をしているのに料理する製作陣がちょっと力不足の感は否めない。もったいないけど…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年10月28日22時42分)


ヒッチャー

◆ヒッチャー(アメリカ)
監督:デイヴ・メイヤーズ
出演:ショーン・ビーン/ソフィア・ブッシュ
内容:大学生のカップル、グレースとジムは、ドライブの途中、ジョン・ライダーと名乗る正体不明のヒッチハイカーを乗せてしまったことで、悪夢のような事件に巻き込まれる…
11/24公開(銀座シネパトス)

20年ほど前の作品のリメイクなんだけど、謎のヒッチハイカーと関わるところは一緒なんだけど、その後の展開がかなり違う。昔のほうが知的な感じはしたんだけど、今回のはかなりハード・アクションものになっている。

驚かせる、ショッカー映画として見ると面白いだろう。理論関係なしに、そろそろ驚かせてやれ!的なシーンのオン・パレードである。苦手な人は椅子の上でピョンピョン、跳ねてしまうこと間違いなしである。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年10月28日22時41分)


テラビシアにかける橋

◆テラビシアにかける橋(アメリカ)
監督:ガボア・クスポ
出演:ジョシュ・ハッチャーソン/アナソフィア・ロブ
内容:絵の好きなジェシーと隣に引っ越してきた風変わりな少女レスリー。いじめられっ子の2人は親友になり、森にテラビシアという空想の王国を作り上げる。家や学校に問題山積みの彼らでもテラビシアでは新しい世界にめぐりあえるのだ。しかし、ある日突然悲劇が襲いかかる…
正月第2弾公開(渋谷東急系)

ファンタジーの面もあるいが、それは描き方の一手段に過ぎない。このお話で本当に描きたかったことは大人こそ、よくわかるものである。なので、ハンカチをお忘れなく!と言っておこう。自分は最後は号泣してしまったのだ。

もっとも、ファンタジーのシーンはそれほど上手くいってるかどうか?というのは、このファンタジーが実は創造のものでしかないからだ。原作本ではそれでもいいのだが、実写になるとなかなかに難しいもの。あと、キリスト教に対する、一種の反対意見もある。こういうのはキリスト教徒にとっては(特にプロテスタントなどは)どう感じるのだろうか?僕はこの映画の意見に賛成なのだが…。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年10月21日21時50分)


ディスタービア

◆ディスタービア(アメリカ)
監督:D・J・カルーソ
出演:シャイア・ラブーフ/サラ・ローマー
内容:父の死が引き金となり、警察沙汰を起こして自宅軟禁処分を受けた主人公ケール(シャイア・ラブーフ)は、暇つぶしのために軽い気持ちで近所の「覗き見ゲーム」をはじめる。美少女の水着姿、大人たちの秘密、お向かいさんの家庭事情…。ケールの覗き見ゲームはエスカレートしていくが、あるとき血まみれのゴミ袋を引きずる人影を目撃する…
11/10公開(有楽町スバル座/シネ・リーブル池袋)

昔あったヒッチコックの「裏窓」のように部屋から出ることのできない主人公が窓の景色を見て、殺人事件を推理していくというもの。この作品では罪を犯して、家からある距離を出ると、足につけられた警報装置が鳴るというもの。こんな便利なもの(?)があるのなら、認知症の徘徊される方には便利だと思うのだが…。

サスペンスものという面白さはあるものの、別の一面を考えてしまう。それは子供であろうとも(高校生だけど)危機に面すると殺人もいとわないということ。そのことによってPTSDなど起きないのだろうか?アメリカ人は逞しいものである。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年10月21日21時50分)


呉清源 極みの棋譜

◆呉清源 極みの棋譜(中国)
監督:田壮壮
出演:チャン・チェン/柄本明
内容:囲碁界の至宝、呉清源。昭和3年、14歳での来日以降、国籍も人生も変え囲碁を打ち続ける彼が、その清流の如く澄んだ瞳で捉えた昭和という数奇な時代、やがて辿り着く“こころの極み”とは…
11/17公開(シネスイッチ銀座/新宿武蔵野館)

囲碁の天才とまで言われた中国人・呉清源。日本にきて、対局を行うが、時代は日中戦争へと向かう。となると、その戦争の狭間の苦悩かと思いきや、新興宗教に振り回される彼の姿が描かれる。まあそれも、戦争の代償によるものであることは間違いないのだが…。

囲碁の細かい勝負の行方は全くと言っていいほど、描かれない。監督は、そんなところよりも、人間・呉清源の生活ぶりに主眼を置きたかったのだろう。また、望遠レンズで構築される画作りは独特の雰囲気を醸し出す。この画が好きであれば酔いしれることも可能だ。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年10月16日15時18分)


シアトリカル

◆シアトリカル(日本)
監督:大島新
出演:唐十郎/劇団唐組
内容:1967年、新宿・花園神社の紅テント公演で、演劇界に革命的な衝撃を与えた天才劇作家・唐十郎。それから40年、67歳になった今も芝居に対する情熱は衰えることを知らず、唐は自らを偏執狂と呼ぶ…
12月公開(シアター・イメージフォーラム)

劇団唐組。紅いテントを劇団員が自分たちで設営し、自らの演劇公演を行う。40年前から行われてきた興行形態である。そんな唐組の2007年の公演を準備から追っているドキュメンタリー。

なのであるが、ドキュメンタリー100%ではない。3割は別のもの。つまりはフィクションなのである。それは唐組という、今では他に類を見ない面白さを生活から備えている劇団でありながら、なぜ故に映像にする段階でこのような手法をとったのか理解できない。どっちつかずの中途半端さは真実も疑ってかかってしまう危険性を伴っている。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年10月16日15時14分)


ジプシー・キャラバン

◆ジプシー・キャラバン(アメリカ)
監督:ジャスミン・デラル
出演:タラフ・ドゥ・ハイドゥークス/エスマ
内容:それぞれの音楽のルーツにジプシー音楽を持つ、スペイン、ルーマニア、マケドニア、インドの4つの国の5つのバンドが6週間をかけて北米の諸都市を廻るジプシー・キャラバンが催された…
12月公開(シネ・アミューズ)

一昔前まではジプシーという言葉も使えなかったようだけど、最近はロマ族のみなさんも逆に誇りを持ってジプシーを使ってるような気がする。ジプシー音楽はヨーロッパ中を放浪してたせいか、世界中に広まっていったみたいである。

彼らの音楽は魂がビンビンに伝わってくる。人間の感性に入りやすいんだろうなあ。熱狂的に各地で受け入れられて、コンサートを行っている、この映画を見て、改めて、音楽の力を認識させられた。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年10月08日21時00分)


PEACE BED アメリカVSジョン・レノン

◆PEACE BED アメリカVSジョン・レノン(アメリカ)
監督:デヴィッド・リーフ/ジョン・シャインフェルド
内容:ベトナム戦争に異を唱え、当時のアメリカ政府に立ち向かっていくジョン。その影響力の大きさに当時のジョンソン、ニクソン政権は危機感を覚え、国外退去命令、FBIによる盗聴など露骨な攻撃をしかけてくる。ドキュメンタリー。
12/8公開(TOHOシネマズ六本木ヒルズ)

ジョン・レノンがビートルズの後期から解散後、平和活動をしていく。それに対して、ニクソンらのアメリカ政府が圧力をかけてくる。その戦いの記録である。戦いと言っても、ベッド・インなど非暴力なのではあるが…。

ビートルズ・マニア、ジョン・レノン・マニアにとっては、案外、知られたことばかりだが、そうでもない人にとってはジョン・レノン入門篇という趣の作品である。当時の世相かもしれないけど、ミュージシャンとはいえ、彼の生き方の凄さ、ある意味における面白さを提供してくれている。

(ミニシアターフレンズ管理人 2007年10月08日20時59分)


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